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Solid State Logic(SSL)
X-Desk

今回はSolid State Logicのラインミキサー X-Deskです。パッと見た感じは8chのミキサーですが、然に非ず。早速見ていくことにしましょう。デモ機を借りることができたのでその時の様子をふまえながらレビュー出来ればと思います。

Product Overview of X-Desk

X-Deskは7Uラックマウント可能なミキサーで、おそらくSSLが発表したミキサーの中で最もコンパクトな、いわゆる「世界最小のSSLミキサー」と言えるでしょう。

最初見たときには「せめて24chは無いと...」と思いましたが、実際には16chをMix可能で、しかもカスケード可能です。

さて、今回はサミングアンプとして使ってみました。

今まではMixingの際にはchannelにいろいろアナログデバイスをインサートしつつもMixing Engineがデジタルでした。とある事をSRの現場で試して「やっぱりサミングアンプほしいなぁ」と思っていました。実際にはいろいろサミングアンプが発売されていますがどうせなら他用途にも使いたいしなぁと言う事でサミングアンプ、というよりは高性能な回路を搭載しているミキサーを探していました。実際HAはいらないし、欲を言えば16ch位あって、センターラインモノはセンターパンで出せたりするといいなぁ、と言う物を探していました。

あったんですよ。それがX-Deskでした。

さぁ届いたX-Desk、意外と大きいです。ALLEN&HEATH ZED-10より一回り以上大きいです。

入出力端子は基本的にD-sub25Pinが使用されています。背面写真をご確認いただくとわかるのですが、豊富な入出力が用意されています。

ALT IN
パネルの[ALT]を押すことで有効になります。メインはLINEでCUEはALTということも可能です。
LINE IN
その名の通りLineレベルの信号の入力です。
INSERT SEND/RETURN
[INSERT]を押すことにより有効になります。
CAHN OUT
ダイレクトアウトです。POST Faderにすることも可能です。
X-DESK LINK IN/OUT
X-DESKをカスケードするときに使用します。
X -RACK EXPANSION
X-Rackと接続してサミングするチャンネルを追加するときに使用します。
CENTRE IN
MIXインサートのリターンなどいわゆるマスターセクションの入力です。
CENTRE OUT
MIX バスアウトなどマスターセクションの出力です。

これに加え、XLRでMAIN OUT L/R,ALT OUT L/Rが用意されています。MAIN OUTはモニタートリムの後の信号になります。「マスターの信号が経由するノブを減らしたいなぁ」という方はCENTRE OUTを利用することで可能です。

実際弊社ではD-sub=XLRx2のケーブルを製作し活用しています。

トップパネルの部分はどうでしょう。Line trim, Cue Send, FX1/2, PAN,100mm Faderが並びます。
シンプルですね。こういうミキサーを見ると、「たしかにミキサーの基本てここだよなぁ」と感じます。

Mastre Section周りはすっきりしていますが、DIM(-3~-30dB),CUTボタンが有るのがうれしいところですね。録音との時にやはりミキサーがあると非常に作業が早く進みます。
meterもMix busとSOLO,AFLが監視できます。0dBfs=+24dBuがデフォルトですが、+18dBuへの切り替えも可能です。

機能を見ていくとやはりいろいろ出来るなぁ、という印象があります。もちろんチャンネルの制限や、HAがない、Dyn/EQの非搭載ということもありますが、僕はこの価格でSSLのサミング回路が手に入る、と言う事の方が大きいと思います。

Sound Impression of X-Desk

さて、その音はどのようなものでしょうか?僕はミキサーの音、というのは

により決定されると思っています。X-DESKはHAを持たないのでHAの音質は対象外ですね。EQやDYNも搭載していないのでシグナルパスは非常に短いと言って良いでしょう。少なくともそこまで大きく音質に関わると思えません。ではサミング回路はどうでしょう。

以前AWS900+の記事で書きましたが、PTのミキシングエンジンは現在スタンダードとなっている部分もあり、決して悪いものではありません。他のDAWも然りです。テクノロジーは進化し、より細かく、正確なモノになっていくでしょう。ただそれが「音楽的にカッコいい」かどうかは別かなと。

実際SSLのサミング回路はすっきりフラットで、色が付いている感じはありません

昨年ひょんなことからアナログサミングは良さそうだなぁと思い、今回試してみた感じです。あと単純にアナログはいろんなモノが簡単に接続できますからね(端子とレベルの問題さえクリア出来れば)。思いつきでアナログコンプをかけたい、と言う時も簡単です。

さて、今回この実験ソースを提供してくれたのは、四季織というバンドです。編成はDs,Ba,Key,Vl,Sax,Voという感じ。ちょうど11月くらいから録音していてちょっと協力を仰いだ次第です。

チェックの方法は簡単でいってしまえばDigital Mix Vs. Analogue summingとでも言うべき手法です。

Digital Mixの方はPT内のバウンス、Analogue Summingの方は4ステレオのバスを作り、X-Deskに入力です。MasterはMR-2000Sに落としました。

試聴してみると、なるほど、違います。難しいのが「違うんだけどどう違うのかをうまく表現できない」と言う感じでしょうか(苦笑)ちょっとこの手のことに興味があれば、違いはわかると思うのですが...、という表現になります。逆に、聞いてもらえれば間違いなくわかると思いますよ、といえます(ちなみにPTのMixとアナログサミングの48kHz/24Bitデーターありますので店頭試聴可能です)。

違いますよ、ではレビューにならないので僕なりの感想を記載しますと、レンジ,定位が広くなり、全体的にまとまりがよくなった感じがします。高域の変なピークがなくなりよりロックな感じというか、そういった部分が出てきた、と言う感じでしょうか。聴きなれた90年代のCDのような質感、と言う感じです。ジャズやオーケストラ、ロックなどアコースティックな編成に基づく音楽ならばプラスに働くでしょう。エレクトロニカなど、うかつになじむと困るジャンルはDAW内のバウンスの方がいいのかもしれません。

やってみて試してみるのも面白いと思います。ケーブルなどで音が変わるのでこのへんも詰めていきたいですね。

音の聞こえ方(バランス)も少々変わって聞こえるのでこうなるなら他のMixアプローチもありだな、とも思いました。

最高16chのサミングが可能(FX RETなどを使えばもう少し行けますね)ですから、I/Fの出力に余裕がある人は是非試してみて欲しいです。

別のタイミングでDAにApogee DA-16Xを使用し、Ds(stereo),Gt(stereo),Back Vocal(stereo),Lead Vo(mono),Ba(mono)という設定でも試してみましたが、非常にMixしやすかったです。ミキサーなのでmono,St「の切り替えがPANをいじるだけなので楽チンです。各パートの大まかな音量はD-DESKで決めて行きました。「UnityGAINに近い状態の音量をアナログ段で制御する」というアナログサミングというよりはアナログミックスに近い状態も可能です。リコールやオートメーションがかけないので細かい操作はPTで行いますが...。うーんとなるとAWS948欲しいですね(笑)。この時はDsにBusCompでSystem9098CLを通したりしました。このへんのフレキシビリティもアナログの魅力でしょうか。XLR,+4dBuに対応していればなんとでもなりますから。

Afterwords

マスタリング的な作業も主にアナログドメインでやったのでその効果を如実に実感できました。EQでブーストしても非常になめらかに反応してくれます。時間を見つけて同じ設定でPT Mixとアナログサミングを聴き比べてみたいと思います。

Solid State Logic(SSL),X-Desk 画像

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checker:Takumi Otani

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