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dbx
162SL

今回のチェックは前回に引き続きコンプレッサーです。dbxのPurpleシリーズ 162SLです。紫色が続いたのはたまたまです。全く意味はありません。

早速見て行きましょう。

Product Overview of 162SL

2chのDual mono Compressorです。786で見慣れた感じのデザインとしっかりした重量感があります。高級機材のそれですね。

スペックです。

チャンネル数 2
音声入力 端子 XLR/ 標準フォーンジャック(3P)
型式 電子バランス
インピーダンス 50k Ω
最大レベル +24dBu
サイドチェイン入力 端子 標準フォーンジャック(3P)
型式 電子バランス
インピーダンス 40k Ω
音声出力 端子 XLR/ 標準フォーンジャック(3P)
型式 トランスバランス
インピーダンス 30 Ω
最大レベル +24dBu
サイドチェイン出力 端子 標準フォーンジャック(3P)
型式 疑似バランス(※)
インピーダンス 100Ω
周波数特性 2Hz - 200kHz(+0/-3dB)
THD + N 0.008%(+4dBu、1kHz、0dBゲイン)
ダイナミックレンジ 117dB
電源 AC100V,50/60Hz,28W
寸法・重量 W483 xH89 x D254mm、EIA2U、5.1kg
※ ホット側の出力抵抗と同じ値の抵抗を介して、コールド側をグラウンドに接続しています。

出力段にトランスを搭載しています。また周波数特性もすごいですね。さすがに値段だけのことはあります。ツマミもグラつきなど皆無で安心して使用出来ます。

Side/Chainの入出力もあり申し分ありません。欲を言えばS/CもXLRだと嬉しかったのですが、逆に「挿し間違えない」というメリットも確かに存在します(昔AMEK 9098CLで1度やったことあります...)。

基本的なレイアウトは160SLと同じです。塗装前のパネルは見分けがつかないでしょう(笑)

実際の挙動は異なっており、まずRATIOのレンジが異なっています。写真ではちょっとわかりづらいのですが1:1-1:2あたりが非常に大きく取られており。LRLT(=LowRatio,LowThreshold)で使用することが多い方には非常に重宝しそうです。

ぼくはコンプはだいたい2.5:1あたりからせいぜい8:1くらいまでが多いので、MRMT(MediumRatio,MediumThreshold)ということになりますでしょうか。

MeterはInput/Output/GR(=GainReduction)の3つから選択できます。VU Meterなので「反応速度は大丈夫?」心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、遅いな、という印象はあまりありません。Peak Limit plusと併用すれば安心かと思いますし、平均値を示してくれていますから2Mixを通した時など、ちらっと見たときに安心です。

Sound Impression of 162SL

さて、早速音に関して見て行きましょう。

まず2Mixを通してみました。先日Mixしたソースです。96kHz,24Bitで軽くTotal Compがかかっているだけですので最適と判断したのです。
トランスの影響でしょうか。プロセッシングバイパスの状態でも音質に変化はでます。ちょっと太くなる感じです。dbxの音質がします。

さて、とりあえずぼくのいつもの設定にして見ます。

うーん、良い感じ。dbxのちょっと太くなる感じのTONEは健在ですが、1066や166XLなどの「ソースを選ぶ感じ」は皆無です。すっきりとした高域の伸びがそれを感じさせるのでしょうか。非常に好印象です。

まず僕がよくトータルで使う設定にしてみて、バイパスと切り替えです。ピークは変えないように設定してみました。ほうほう、中域のあたりがグッと引き締まって好印象です。外付けのVUメーターではGRの分だけメーターの触れが大きくなります。

一緒に試したktrに代わっていじってみてもらいます。別のsettingになるので楽しみですね。彼はRatio=2.0:1あたりで設定していたようです。

Peak Stop Plus™もしっかりかかります。

さて個別ソースにうつります。まずはKickです。

パーカッシブなソースは2MixよりもAttackなどの変化がわかりやすいですね。アタックの感じが綺麗に移り変わっていきます。dbxの1066や160SLなどもAttack Timeは[dB/mSec]という単位が採用されています。まぁ、左に回しきると最速になり右だと逆、というのは変わらないので問題無いのですが、最初は戸惑うかもしれません。KickやSnなどよりも2Mixにかける、といったBus Compという用法のほうがその効果というか威力を体験できると思います。

SRでアナログミキサーの場合、kickのコンプに1066を使用することが多いのですが、その理由のひとつに「dbxの回路と通過すると低域がどっしりする」というという特性があるのです。

やはり162SLもその特性は持っていますが、高域の特性に伸びがあるせいか、すっきりした感じの印象です。しっかり潰せますし、ソフトなコンプレッションも可能です。

次にSnareです。

今回のSnのソースはHiRatioは向かない印象だったので(やっては見ましたが、えらいことになりました。)1.8:1くらいでかるくピークを叩いてみました。良い感じです。前述の高域のすっきり感も相まってか抜けの良いSnサウンドです。

Bassです。

結構おもいっきり潰して見ましたが、密度が高くなり音楽性にマッチします。奥に引っ込む感じはあまりありませんでした。Attack Timeをコントロールすることにより「コンプで歪ませる感じ」も出せそうです。ただ、ちょっと上品な感じですのでぴったり来ない場合もあるかもしれません。そんな時は1066ですかね。

Vocalです。

ダイナミックレンジが結構あるTrackですが、ピークだけを抑えてみました。ちょっと中域が濃くなる感じもありますが、さほど気になりません。やはり高級機種は違いますね。

LEDの視認性も高く、モードなどを瞬時に判断できます。ちょっと眩しいかもしれません(笑)。

Afterwords

比較的上品で何にでも使えるコンプといえるでしょう。「あー162SL通したなー」という感じと言うよりは隠し味的な良さを持っている機種だと思います。高級コンプをお探しの方にも使いやすくおすすめできる機種です。

dbxの安価なモデルを使っていらっしゃる方にはぜひとも試していただきたいコンプです。おそらくみなさんがお持ちのdbxのイメージを広げてくれる製品の一つです。

Annex Recの常設機材ではありませんが、タイミングがあえばご試聴が可能です。

dbx,162SL 画像

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checker:Takumi Otani

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