SOMMER CABLE
COLONEL INCREDIBLE
SOMMER CableのSiteをなんの気なしに見ていたところ、面白い構造のケーブルが記載されていました。それが今回取り上げるCOLONEL INCREDIBLE(カーネル インクレディブル)です。
単芯シールド構造とノンシールドの単芯が1つのジャケットの中に収められています。
早速見ていきましょう。
Product Overview of COLONEL INCREDIBLE
楽器用アンバランス構造といえば単芯シールド構造が一般的です。2芯シールド構造をもつBelden 8412でも信号線(Hot)として芯線の1本のみ、または2本を使用することで楽器用アンバランスケーブルとして使用することが可能です。
更にはシールドの片側をgroundから浮かせ、Core wireの1本をgroundとして使用することで方向性を持たせたケーブルなども存在しました。
その昔、故赤川新一氏が「Shieldは音質に影響する」という発言をなさっていましたが、UnbalancedにおいてはShieldはgroundを兼ねているのでShieldを使用しないと信号は正常に伝達できませんし、Shield構造を持たないケーブルを使用するとかなりのnoiseに見舞われます。
Balanced 伝送の場合、HotとColdのNoise cancelingによりそこまでNoiseは気になりませんし、若干Openな音になる印象もあります。AC側でEarthがしっかり取られていれば(設計にもよりますが)GNDのズレによるノイズなどは発生したことはありません。
2芯のシールドケーブルの場合、アンプ、DI側のシールドとをGNDに落とせば、信号線と楽器側のGNDには単芯を使用しても問題ありません。
さて、COLONEL INCREDIBLEに話を戻しましょう。Preambleの通り、単芯シールド構造とノンシールドの単芯が1つのジャケットの中に収められています。製品写真をよく見てみていただくとわかると思います。
最初、単芯シールドが2本収められているのかと思い、Balancedとしても使用できるかなと思ったのですがよくよく見ると違っていました。代理店に確認すると、接続(=はんだ付け)の場所を教えてくれたので作ってみました。
Specと参りましょう。
- 構造
- LI2Y(LS)DY2×0.35mm²
- シース材質/直径
- PVC 7.2mm
- AWG
- 22
- コンダクタ数
- 2×0.35mm²
- より線
- 7×0.25mm
- 絶縁体
- PE
- シールド
- 銅製シールド
- シールド率
- 100%
- 使用可能温度
- -20℃~+70℃
- ファイアーロード/1m
- 0.26kWh
- 色
- オリーブグリーン
- 重量/1m
- 64g
- パッキング(1巻)
- 100m
- 線間(芯-芯)/1m
- 41pF
- 線間(芯-シールド)/1m
- 130pF
- 導体抵抗(芯)/1km
- 55Ω
- 絶縁抵抗/1km
- >1GΩ
- インピーダンス
- 78Ω
直径が7.2mmとちょっと太めですが、Neutrik NP2X(適合ケーブル外径/直径4.0mm~7.0mm)には収まりました。気になる方はBPX-Lを使用するのもありかと思います。
Sound Impression of COLONEL INCREDIBLE
さて、音に参りましょう。メーカーの紹介文には、スタジオミュージシャンやライブミュージシャンからの評価が高いケーブルです。多くのプロミュージシャンは「このケーブルから出る音はパンチが効いた綺麗でキメ細かいサウンドである」と声を揃えています。
と記載があります。また、A. GuitaristやBassistに評判との情報を得ました。
5mのCOLONEL INCREDIBLEの両端にNeutrik NP2Xをはんだ付けしたケーブルを作成の後、Guitaristとちょっと音を出して確認したところ、低域が伸びる、Jazzっぽいマイルドなトーンが必要なときや、エレアコ、ベースにも良いのではないか、という結論になりました。その時、比較対象としたケーブルはNeo by Oyaideのケーブルです(型番は失念しました...)。
数日後よくOpeに伺うLive Houseにて、Juna SeritaさんのNew Albam "Show Me Right Now"のRelease Tour Liveがあり、Finger PlayからSplapまでを縦横無尽に弾き分ける彼女に試してもらおうと現場に持ち込みました。
現場についてsetting後、GW渋滞の影響で少し遅れて現場入りした御三方、準備の前に、「Junaさんに試してほしいCable持ってきたんですけどいいですか?」とお願いするとJunaさん「えー、面白そう!是非!」と興味津々です。「気に入らなかったらいつものCableに戻しましょう。」と保険をかけ、セッティングです。
リハ前に音作りしているところに伺い、「どうですかー?」と訊くと、「これ良い!欲しい!」と非常に好印象な様子です。「いつものケーブルと比較しなくて良いですか?」と訊き終わるが否や、「これで行きます!」と。KeyのKodaiさんも「いつもより太く抜けてくる!」と可能性を感じたご様子で、そのままその日のLiveで使ってもらいました。
リハも滞りなく進行し、ダブつくことのない低域ときれいに伸びる高域がJunaさんのBass Playと相まって非常に好印象です。
Live終了後、バラシのときに「このケーブルって頼んだら作ってもらえるんですか?」とおっしゃっていただくほど気に入ってもらえました。実際数日後、7mのケーブルをご発注いただきました。Tour 後半で活躍してくれるでしょう。
Afterwords
楽器用のケーブルはGOURD 1369が気に入ってよく使用していましたが、非常に好印象なケーブルを見つけた、といってよいでしょう。
COLONEL INCREDIBLEに大きな可能性を感じた僕は楽器用ケーブルとして製品化(?)することにしました。QQ-COLONELシリーズとして販売しています。
ご興味ある方、お気軽にお問い合わせください。

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