MUTEC
REF 10

今回見ていくのは10MHz Reference Clockです。1年ほど前にAntelope Audio 10MXのReviewを書きましたが10MXと同種の製品と言って良いでしょう。

早速見ていきましょう。

Product Overview of REF 10

MUTECは昔から多くのクロック,ビデオシンク・ジェネレータ,AD/DA/DDコンバーターを製造しているブランドです。コンパクトなボディに必要十分な機能を持つ製品が多く,映像関係の方や,オーディオフリークの方から問い合わせをいただくことが多いように思います。

簡単に本体を見ていきましょう。

黒本体にICE C14とBNCが8個用意されています。BNCのうち2個(1,2)は50Ω,残り6個(3-8)が75Ωです。

A背面にSystem Powerがあり,Frontにも用意されています。

ACは100-120Vと200-240Vの切り替え式で周波数は50-60Hzです。

電源投入後はしばらくの間,Front 右側の[READY]がゆっくり点滅します。数秒ほどで点灯に代わり準備が整ったことを示します。左側の[OUTPUT SELECT]で出力したいBNCの端子を選んで確定します。出力されている状態ではインジケーターが白色に点灯します。

Sound Impression of REF 10

さて今回にもREF10を試す機会を得ました。このReviewにも何度か登場しているYさんと一緒に試すことが出来ました。御自宅のシステムのマスタークロックに新しいものを導入しようかとご相談頂いた次第です。

REF 10が10MHz出せるのでせっかくなら,と弊社備品のAntelope Auido 10MXも試聴してみませんか,とお持ちしテストです。

10MXは10MHz Out以外に本体にWord Clock(32-768Hz)のアウトがあるのですがREF 10はそれがありません。ですので今回はMC-3+USBで10MHzを受けてそこからWordClockをシステムに供給しました。

クロックの聴き比べなんてそうそう出来るもんじゃないですよねー,とお互いに興味津々でのセットアップです。

Yさんの御自宅のシステムはAD/DAコンバーターを現在ClockMasterにしており,そこをREF 10 + MC-3+USB,10MXに変えての試聴です。Clockは88.2kHzにて行いました。ソースはクラシックのレコードを使用しました。

御自宅に伺う前に一度御自宅デフォルトのClcokで一度録音をしていただいており,まず10MXに差し替えての試聴です。オリジナルの状態を聞いていないのですが,10MXに変換すると全体の質感が聞いたことのある,いつもの感じに変換します。空間にゆとりが見え,スピーカーの奥に空間が広がる感じです。

Yさんも「この時点で結構違う...」と若干嬉しいような,戸惑ったご様子。

同じレコードを10MXで録音を行いましたがより「Antelope Sound」が見えてきた印象です。奥行き関係の解像度が向上し空間にゆとりが見えます。低域もより上品で迫力のある状態となりました。

つぎはMC-3+USBをクロックマスターにしての状態です。

いきなり録音しましたが,メーカーが異なるのでだいぶ音が変わります。上品さというよりは元気さ,みたいなものが見えてきてこれはこれでありなのですが,悲しいかなやはり値段の差,というものを感じてしまいます。好き嫌いはあっても「10MXのほうが良い」という人が多いと思います。

さて,今回の大本命REF 10 + MC-3+USBです。

REF 10の75Ω アウトを MC-3+USBの10M inに接続しLockすることを確認,早速録音です。10MXとは異なりますがMC-3+USB単体の時よりは俄然良くなります。元気さ,エッジ感はやや姿を潜めますが,レンジ感が加わります。

ここのキャラクターの差,というものはメーカーの差と言ってしまっても良いと思います。

REF 10 + MC-3+USBと10MXどちらが良いかは好みや用途によると言っても良いと思います。MC-3+USBはPCにもクロックを供給出来ますからそのあたりも影響しそうです。

後日Yさんからメイルで改めて感想頂いたのですが,

改めて聞くと、Hapi/AntelopeとMutecではキャラクターの差がありました。
おっしゃる通り品位について前者の方が高いように感じます。逆に言えば、全面にバシッと来るのはMutecですね。
全体的なクオリティとしては10MX≒MC-3+USB & REF10 > MC-3+USBのようですので、あとはキャラクターと使い勝手の差となりますが...

とのこと。

僕のインプレッションだと

Antelopeはスピーカーの奥に広がる空間の再現と高品位な感じが魅力
Mutecはスピーカーに張り付くような押し出し感が魅力

という印象です。

Afterwords

dataを頂き聴き比べてみたのですが同じ10MHzでも違いが出るもんだなぁ,という感じです。

Master Clock導入をご検討中のかた,10MHz Reference Clockぜひとも試してみてください。

MUTEC,REF 10 画像

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MUTEC,REF 10
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