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GENELEC
8030A

今回のProduct ReveiwはGENELEC 8030Aです。デモ機を貸していただいたので(オタリテックK松さんありがとうございます!)それをいろいろいじってみての感想です。

スタジオモニターの定番GENELECの底力をうまくご紹介できればと思います。

Product Overview of 8030A

皆さんはGENELECのモニターというとどういう印象をお持ちでしょうか?僕の中では「音が若干派手なモニター」という印象があります。録音時はそれでいいのですが(テンションも上がるし、仕上がりが想定しやすいので)ミックス時にはちょっとどうかな...という印象がありました。
弊社のスタッフのイメージも似たような感じです。ただ正直それは1030Aや1031Aなどのいわゆる旧シリーズの印象です。近年いろいろでてきたシリーズに関してもあまり聴いたことはありませんでした。

ちょっと余談が長くなりましたが8030Aのスペックに参りましょう。
バイアンプ駆動のアクティブモニターです。周波数特性は55Hz-21kHz(-3dB)です。5.6kgの重量があります。
入力はXLR(M/F)で電源ケーブルも交換可能です。
またDIPスイッチにより特性をRoom Acousticに応じて切替が可能です。

  • Treble Tilt(Dip1):5kHzより上の周波数帯を減衰させます。-2dB@15kHzです。
  • Bass roll-off(Dip2):HPF@85HzがONになります。サブウーファーと併用するときに使用します。
  • Bass Tilt(Dip3):1kHzより下を減衰させます。-2dB@100Hzです。Dip4と同時使用することにより6dB減衰させることが可能です。
  • Bass Tilt(Dip4):1kHzより下を減衰させます。-4dB@100Hzです。Dip3と同時使用することにより6dB減衰させることが可能です。

メーカーのデーターシートに詳細は譲りますがセッティングに関する詳細な資料が記載さていますので自宅に導入しようと思っている方は見てみてください(英文です)。

あとIso-Pod™が80シリーズ、81シリーズなどには標準装備します。単純なインシュレーターとは異なり仰角などを変更し、本体を縦置きでも横置きでも使えるように変更できます。Iso-Pod™は、モニターの音響軸をリスナーの耳位置にアジャストすることができ、その一方で設置場所から伝わる不要な振動を遮断する役割も果たします。

Sound Impression of 8030A

さて早速の試聴です。店頭にポンと置いて鳴らしてみます。
ははぁGENELEC sound健在ですね。やはりちょっとしゃきっとした音ですね(ソースのせいもあると思いますが)。
背面のDIP1をONにしてみます。あれま!GENELECってこんなマイルドな音も出るんだ、という感じです。試聴中に音を聞ききたスタッフも「あれ?」という感じで立ち止まります。
高域が確かにおちこんでいるのですが、こもった感じとかではなくこの環境でベストななりっぷり、という感じでしょうかケーブルなども影響はしているのでしょうが、旧シリーズの製品のイメージとはだいぶ異なっています。
低域に関してはちょうど良い感じでした(=僕の好み)のでFlat settingのままです。サイズどおりというか印象どおりのサウンドを聞かせてくれます。

ちなみにこのときに使用していたケーブルはMOGAMI 2549です。やや派手な音がする印象のケーブルです。

置き場所をいろいろ変えてみたのですがIso-Pod™のせいか一定の鳴りっぷりを聞かせます。もちろんあまりに不安定な場所などは論外ですが。また耳に向かって角度が調整も可能ですので様々な環境に対応可能かと思います。

リファレンスCDをいろいろ切り替えて試聴していきます。その中で左右の広がりをチェックするときに良く使用するソースを流したのですが、いや素晴らしい。綺麗なリバーブが広がりました。まるでSpの外側から聞こえてくるかのようです。左右の広がりに関しては一台だけではなかなか実現しづらい部分だと思います。ポンとおいて左右が綺麗につながり、広がりも出るというのは良いですね。

スピーカーを聴いているのはなく音楽を聴いている、という気分にさせられます。

マルチトラックソースを試聴する時間がなかったのでちょっと申し訳ないのですが、スタジオでも良い音を出してくれることでしょう。

Afterwords

GENELECがスタジオに良く導入されている理由が分かった気がします。その定位のよさと、仕上がりが想定しやすい音質という感じでしょうか。加えてあらゆる環境に対応しやすい調整のしやすさという感じでしょうか。決して見た目が面白いからではないのでしょう。

スタジオモニターには

という2点をバランスよく実現する能力が必要とさせると思います。GENELECがスタジオで君臨し続けているのは、好みもあるとはいえ、それら2つが高い次元で実現できているからではないでしょうか?

余談ですが、現在店頭に8020Aのcut-modelがあります。「へー,こんなかんじなんだー」ということに興味がある方は是非ご来店ください。音はでませんが面白いですよ。

2010/10/16 追記

とある事情でAnnex Recの備品に8030Aを採用しました。どちらかというと出張録音用の機材です。

ADAMのA7を持っていけばよいのでしょうが、ボクが録音している間にスタジオでMixが無いとも限らないので。
本来ならスタジオとの連携も考えてADAMにしたほうが良いのかもしれませんが、IsoPodがあること、アルミダイキャストボディであること、などから環境の変化に強いだろうということでGENELECにしました。それ用のスタンドも作ったんですよ。

ライブのオペのニアフィールドにも使用してみましたが、さすがですね。ポンと置いた状態で位相の整った綺麗な音が出てきます。

使用していないときは店頭での試聴も可能ですのでお気軽にご来店ください。

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