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Aphex
MODEL 188

Exciterで有名なAphex社の新製品 Model188を試すことができました。オタリテックのK松さんいつもありがとうございます。

それなりに機材に詳しい方の中ではAphex=Exciterというイメージの方も少なくないのではないでしょうか。数年前にMODEL 1100というHAを発売したときにも何か絶妙な違和感を覚えた印象があります。MODEL 1100はStduioを意識したつくりのようですが、188はどうでしょう早速みていきましょう。

Product Overview of MODEL 188

MODEL 188はMODEL 1788Aというリモートコントロール可能な8ch HAの弟分のような存在です。

フロントパネルは電源スイッチ、ダイヤル、ディスプレイしかありません。PowerCoreX8には勝てないにしてもシンプルです。
すべてダイヤルでセレクトして決定していく感じです。リアパネルはXLRが8個(入力)、出力用にD-sub25(Tascam配列)、ADAT,S/MUX端子が2個、BNCが2個 LAN接続用の端子が1つという感じです。ADコンバーターも搭載していますが、増幅回路などはアナログです。LAN接続が可能なことからも伺えますが、リモートコントロールが可能です。
ch1-8に差はありません。すべてにGain,Pad,Low cut,phase,+48Vの機能を搭載しています。これらがデジタルでコントロールされています。
増幅率は65dB(26dB fixed gain,39dB variable gain),LPFは85Hz,PADは26dBで、PADを入れてGainを絞りきった状態で0dBになります。サンプリングFsはMax96kHzです。

188はアナログ出力のポイントをVariable Gain Stageの前後で切り替えることが可能です。内部ジャンパーを変更する必要がありますが、PreにするとPost fixed gain,Pre variable gainの信号を取り出せます。デジタル出力は変更不可能です。ちょっとしたスプリッターとして使用することが可能です。録音はデジタル出力を使用して、SR用の回線を出す、といったことも可能でしょう。

1788Aは1788RCという専用コントローラーがありますが、1788RCはMODEL188にも使用可能とのことです。1788Aに搭載されていて、188に無い機能もあるのですがそれらは無効になります。1788RCは1788Aや188を合計16台まで識別できるので128chがコントロール可能です。

リコールも可能なので設備や、ツアーでの収録などによいのではないかと思います。電源を落とした状態の設定を覚えていてくれますので、もちろん微調整は必要ながらも、より短時間でのセットアップが可能ではないかと思います。電源ディストリビューターとコントローラーをセットにしても64chで12Uくらいで収まります。コンパクトなシステムの出来上がりです。

コントロールソフト(Mac/Win)も無償ダウンロードが可能なので、PCで管理することも可能です。セットアップをPCに保存することも可能です。

Sound Impression of MODEL 188

さて音質のチェックです。おそらくStudioへの導入というのがターゲットの製品ではないので、もう少し別のチェックができればと思ったのですが、音質傾向を探るということはマイナスではないと判断しドラムをソースとした試聴を行ってみました。

Kick,Snare, O/Hの3本でのチェックです。Control Roomで回線の抜き差しをしただけなので、マイクの位置の変更などは一切行っておりません。マイクをパラって使用できればよかったのですが、今回は不可能でしたので普通に何回か演奏してもらいました。他にも比べてみようと思ったので

  1. Annex Rec HA + AD-8000
  2. MODEL 188(Analog output) + AD-8000
  3. MODEL 188(Digital Output)

Annex recのHAは今回はdbx 786(Kick,O/H), PreSonus MP20(Sn)です。

1ch辺りの値段が違うのでまともに比べると気の毒です。しかもAnnex RecのHAはキャラクターを求めて集めている部分もありますので、単純に比較すると「無難な音」という結論になりそうです。

MODEL 188の実際比べてみたところローミッドが太く、高域にちょっと荒い感じの抜けのよさがあります。高域の感じはまだ新しいからかもしれません。全体的にスムーズな感じの音質を持っています。キャラというか個性という観点だとさすがにAnnexのHAに軍配が上がります。ただおそらく前述のように使われる方も少なくないと思います。そういう意味ではHAに変な癖があるのはまずいですから、これでよいのだと思います。

2.と3.の比較では3.の方が好みのでした。露骨な差ではありませんが、わずかに抜けが良くなって、フラットな感じです。HAのキャラクターの補正をADで若干行っているのかもしれません。Aphex製品を使い込んだことはあまりないのですが、Digital outの方がボクが持っているAphexの音のイメージに近かったです。

前述の通り、単純に"スタジオでの使用(=ターゲットを絞った音での増幅)"と考えるとはやはり高級HAに軍配が上がりますが値段を考えると全然アリなHAだと思います。8ch HA+ADコンバーター,リモートコントロール,リコールが可能、スプリットアウトも出してくれるわけですから。今回使用した HAに限らずスプリットアウトを持っているHA,channel Stripは結構少ないですから。スプリッターが必要な多ch収録の現場では強い味方でしょう。
別にmodel 188を擁護するわけではないのですが、ちょっと考えてみてください。いくら音がいいといっても48ch収録のときにmodel 188を6台用意するのとdbx 786を24台用意するのどちらが大変か、どちらがコストがかかるか。アナログアウトのみのHAの場合別にADCも用意しないといけなくなります。システムが複雑になればその分トラブル発生確率も高くなります。Kick,Sn,Bass,Vocalなどに高級HAを使うのはアリだ思いますが、全部じゃなくてもOKですよね。

Afterwords

トータルリコールが可能ですので設備などにもよいのではないでしょうか。DefaultのsettingをPCに覚えさせておけば、復旧や、2回目以降のイベントなどにも最適です。

改善して欲しい点を上げるとすれば、ディスプレイの表示方法でしょうか。fixed gainの増幅率 + variable gainの増幅率を表示してくれる(26-65dB)のですが、Padが入ったときには何も変らないのです。PADを入れてもはずしても増幅率を表す数字は同じです。確かに増幅率は同じでもよいのかもしれませんが、できれば"Input Connectorから最終的にいくら増幅されたか"を表示して欲しいです。PAD無しのときは26-65dB,PADが入っているときには0-39dBという感じです。次回FirmのVer upに期待ですね。

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