Antelope Audio
Zen Tour

さて,今回見ていくのはAltelope Audioのコンパクトモバイル Audio Interface ZEN Tourです。海外のPro AudioのReviewでも高評価を得ているInterfaceです。サイズの割になかなかの値段ですが,さぁさぁどうでしょう。

早速見ていきましょう。

Product Overview of Zen Tour

ZEN TOURはUSBとThuderBolt™でPCと接続できるAudio Interfaceです。最近はAuntelopeはHD接続(DigiLink)を搭載しているものもリリースしていますが,楽器を中心に,という方にはUSBなどの汎用フォーマットのほうが歓迎されるのでしょう。DigiLink搭載のモデルもUSBなどで接続可能ですので,スタジオに持ち込んでFPGAを活用,なんてことも可能でしょう。

入出力を見ていきましょう。
入力ですが,Front側にLine/Inst用の1/4インチフォーンジャック x4が搭載されています(Input1-4)。RearにhaNeutrik Combo™ x4が搭載(Input5-8)されておりXLR,1/4インチフォーンが使用可能です。デジタルの入力として側面にADAT Optical x2,背面にS/P DIF x1の入力が可能です。

出力はDB25(TASCAM) x1,フォーンジャックでモニターアウトステレオ2系統,デジタル出力としてADAT Optical x2,S/P DIF x1が用意されています。フロント側にはReamp Out x2,Headphone out x2も搭載されており,抜き差しが多いものはアクセスしやすくなっています。

USBで使用したときには192kHzで24ch,Thunderbolt™の場合には32chのI/Oとして機能します。

Antelopeの製品なのにWCアウトがないのはちょっと違和感を覚えますが,ポータブルということを考えてのことかもしれません。

本体上部のスクリーンはタッチディスプレイになっていますが,Gainなどは後述のControl Softで行ったほうがよいように感じます。精度云々というよりは表示が大きいので楽,という観点です。

Control Softwear Zen Tour Launcher

過去にもAntelope AudioのI/Fなどをレビューしてきたのでごらいただいた方やお持ちの方は予想がつくと思いますが,その通りです。Routing,HAのコントロール,メーターなどを確認できるソフトとなっています。

USB,TBに加えて同じNetwork内のPCに接続されていればコントロール可能です。また,タブレット用のAppsもリリースされています。

FPGA FX

DSPエフェクト/プラグインと混同されがちですが,原理は全く異なります(見た目の作動がとても似ているので仕方ないのですが)。
最新版のFPGAに関してはFPGA FXにてご確認頂いたほうがよいと思いますが,2017/6月現在大別して4種類(Classic Gt Amps,Studio Equaliser, Studio Compressor, Reverb)が用意されています。上記メーカーサイトのFPGA FXすべてがAlntelopeのすべてのI/Fで使用可能なわけではありませんが,可能な限りPre-installされています。それぞれに更に細かく,モデルが用意されています。名称や見た目からオリジナルがわかるので選ぶ際の参考になると思います。
Studio Equaliser, Studio Compressorに関しては以前,Orion StudioのReviewの際にも少し触れましたが,前回はアンプのReviewが出来ていませんでしたので今回はきっちり見ていきたいと思います。

前述の通りFPGAはAFXにinsertするPlug-inのようなイメージを持って頂いて問題無いかと思いますが,レイテンシがほぼ0と言うのが売りの大きな一つです。FPGAを使用してアンプの音をかけどりするもよし,Routingを工夫して「モニターの音はFPGA経由,録音される音はClean」というのもよいでしょう。どうせなら両方録音する,もありですね。この辺のRoutingの自由度の高さも嬉しい部分です。

FPGA FX Classic Gt Amp

メーカーページからの一部転載になりますが,簡単に紹介します。

Burnsphere (DE)
Burnsphere (DE)

Burnsphere (DE) はボトムエンドで重量感あるギターサウンドが得られるアンプです。そのパンチのあるサウンドは、特にソロやパワーコードなどの演奏に向いており、このアンプはハイゲインでありながらもラインが見えやすいためモダンメタルサウンドなどに用いられます。存在感とパンチ力の双方を得ることができるアンプです。

Marcus II (US)
Marcus II (US)

Marcus II (US)には、反応の良いLEADチャンネルと改良されたリヴァーブ回路があり、80年代以降の最も高価で多くのギタリストに愛されたサウンドをデザインしています。Antelope社の改革的なFPGAチップが、今その伝説的な名器を莫大な追加投資を一切することなく手に入れられることを可能にしました。

Overange 120 (UK)
Overange 120 (UK)

Overange 120 (UK)は、爆音を鳴らしたときに最も効果的に鳴る様に作られたアンプを元にデザインされています。そのキャラクターとして、荒く、生々しくオールドスクールなサウンドであるOverange 120 (UK)は、他のアンプでは聞くことが出来ない様なオーバードライブサウンド衝撃的です。70年代の音楽に良く聞かれるサウンドがまさにこのアンプです。

Tweed Deluxe
Tweed Deluxe

Tweed Deluxeは現代音楽の歴史上で最も特徴的で最も愛されてきたアンプを元にモデリングされました。50年代に発表されたこのアンプは、Volumeを上げても失われることないクリーントーンと、Volumeを全開にしたときに得られる飽和したトーンが特徴的です。このアンプは私たちが手掛けた中でも、最も歴史的価値のあり特別なアンプの一つです。

TOP30
TOP30

Top30 はいわゆる"ブリティッシュ・インベージョン・サウンド"好きに好まれるアンプです。このアンプとキャビネットの特徴としてはクリーンでも歪みでも非常にピュアなトーンにあります。60年以上もの間、世界的に成功をおさめたアーティスト達に愛させ続けて来ました。

DARKFACE
DARKFACE

Darkface は60年代の最もクラシックなアンプへのトリビュートとして追加されました。ビンテージロック、ジャズ、カントリー、そして古き良きブルース好きであれば、このアンプの音色も好きになるはずです。

MODERN
MODERN

Modernは轟音ギターサウンドやギターで壁を作りたい、そんな時に最適なアンプです。いわゆるメタル系の音楽に合うこの真空管ギターアンプのシミュレーションですが、 ヘビーなディストーションはもちろん、リードやソロなど曲の中でひときわ印象的なギターサウンドを作りたいとき等にも使えます。さらにデフォルトの4×12"のキャビネットを使用するとこのアンプの響きを最大限に引き出すことが出来ます

PLEXI 59
PLEXI 59

Plexi 59は真のクラシックロックサウンドを生み出すアンプです。AntelopeとOverloud社はこの伝説と言われるアンプを高い再現度でシミュレートすることに魂と時間を費やして来ました。Plexi 59というアンプはヘッドールームが高く、ブライトでありながらクランチの効いたサウンドが特徴です。Antelopeの強力なFPGAが、この50年代の名器である、大きなトランスと高いプレート電圧を持つハンドワイヤードな真空管アンプの再現を可能にしました。

ROCK 75
ROCK 75

Rock 75はロック史上もっとも愛されたフルチューブ100Wのアンプの音を再現しています。リバーブやエフェクトはなく、40年以上もギタリストに求められて来た純粋な生々しいロックトーンがそこにあります。Rock 75はPlexi 59の改良版にあたります。四十年前、このアンプがギタリスト達のそのサウンドの熱量を上げただけではなく、出力レベルのコントロールも可能にしました。今その伝説的なアンプの構造そのものをAntelopeのパワフルなカスタマイズされたFPGAによってここに忠実に再現いたしました。

ROCK 22.10
ROCK 22.10

80年代は世界的にハードロックやヘビーメタルで盛り上がっていた時代です。当時のアンプメーカーは"Gain"をどうやったら得られるか試行錯誤していました。Rock 22.10はその時代のアンプを元にシミュレートされたアンプです。荒々しく、アグレッシブなサウンドは増設されたダイオードクリッパーにより生み出され、EQはサードGainステージの後に搭載されています。Antelopeの22.10ではPresence, Bass, MiddleとTrebleの他にMasterとPre-Amp Volumeが設置されておりさらにGain調整を追い込めるようになっています


名称とFPGAの画面を見ると大体モデリング元がわかると思います。是非メーカーページにてご確認ください。

また、キャビネットこモデリングではマイク2本の種類、位置、バランスを変更可能です。またキャビネットの裏と45度のアングルのマイクも音量操作可能です。

ZEN TOUR

基本的にアンプヘッドとキャビネットという組み合わせにしないとちゃんとした音は出てきません。最初アンプヘッド部だけインサートしたのですが、アンプのLine Outの音が聞こえてきてちょっと笑ってしまいました。まじめにモデリングしてるんだなー、という印象です。

Sound Impression of Zen Tour

HAが4基なのでDsなどの多チャンネルが必要なものには向かないですが,Acouctic GtやVocalなどには十分です。

HAの音質傾向はMP8dと同じくクリーンでニュートラルな印象です。ここで個性をつけてしまうとFPGAとの相性も出てきてしまうのかもしれません。

さて,先にも書きましたが今回はFPGAの特にGtアンプモデリングの部分を中心に見ていきたいと思います。

自分で弾いても良かったのですが,どうせなら他人の意見も聞いていたかったので今回はMPMS講師 石井先生にお手伝いをお願いしました。

Checking FPGA

さて石井先生とざっくり音質などのチェックです。今回場所は我らがHome Annex Rec C/RでMonitor Outを直接モニタースピーカーに接続しました。みなさんがZEN Tourを導入頂いたときの環境に近いのではないかと思います。

今回はDAWはCubase 7.5(Win)を使用しました。接続はUSBです。

2人でチェックというよりは石井先生にZEN TOURをデモした感じです。

Zen Tour Launcherは今回別のPCにて起動し、Network経由でコントロールしました。遅れなどはなく快適な操作感といってよいかと思います。iPadなどからもコントロールが可能なようですのでお持ちの方はぜひとも試してみてください。画面をいちいち切り替えるストレスから開放されます。

入力はFrontのHi-Z 1を使用しました。
ROUTING画面でPREAMP1をUSB REC 1とAFX IN 5にアサインし、AFX5にいろいろClassic Gt Ampをインサートしていきました。

AFX OUT 5をUSB REC 5にアサイン、ダイレクトとClassic Gt Ampサウンドの両方を同時に収録していきます。

このやり方(Dry/Wetを同時収録)が一番いいような気がします。
Gtの録音後VocalやKeyboardをoverdubbingしてGtの音とそれらが(周波数的に)ぶつかった場合、Dryを使って再度Classic Gt Ampを通すことが可能です。前述のとおりREAMP OUTもありますので実際のアンプを鳴らすことも可能でしょう。

また、DAW側のレイテンシーを回避するためMIX 1CH 5にAFX OUT 5をアサイン、MIX1 L/RをHP1にアサインしモニターしてもらいました。石井先生によるとレイテンシーはまったく気にならない、とのこと。

石井先生がBPM120のDsトラックを作ってきてくれたのでそれに合わせていろいろフレーズを弾いてもらいました。同一のきまったフレーズ、ではなくアンプの音色に合わせていろいろフレーズを変えてくださいました。

どのモデリングも非常にしっかり作られておりちょっとつまみを調整すればすぐに使える音になってくれるのはうれしい限りです。

石井先生の感想を簡単にまとめておきます。

僕個人の印象としては,

収録データーの公開は控えますが,店頭にいらしていただければタイミングによっては試聴が可能です(なるだけご予約ください)。

Afterwords

Tourなどで多忙なGuitaristのプリプロ/プロダクションにピッタリの製品だと思います。Classic Gt Amp以外のFPGAも充実していますので入出力はそこまで多く必要ない,という方には是非検討頂きたい製品です。

自宅にはそこそこのシステムがあるが出先で気軽に使える高品位なI/Fをお探しの方にもピッタリの製品だと思います。

Antelope Audio,Zen Tour 画像

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checker:Takumi Otani

Antelope Audio,Zen Tour
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