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特徴
ルパート・ニーヴ設計のカスタム入出力トランスとハイボルテージ72V技術によって生み出されたMBPはどんなシステムにも完璧に統合します。さらにMBPはクリック付きのマスタリンググレードのポッドつまみを採用することにより、その革命的なダイナミクス、トーン、及びステレオフィールドコントロールを正確に調整できます。
この新しい技術はルパート・ニーヴのクラシックデザインの大幅な進化です。数え切れないほどのレコーディングに供給してきた甘い音楽的なパフォーマンスはそのままにヘッドルーム、ダイナミックレンジ、帯域幅、スルーレート、ノイズ、歪み、精度の向上を実現しています。
The Compressor
MBPの二つのコンプレッサーセクションはRatio、Threshold、Attack、Release、Blend、Side-chain HPF、Limit、Make Up Gain、Linkのコントロールを搭載し、デュアルモノまたステレオソースに対して事実上無限の可能性を提示します。
Linkを押すとチャンネルAがマスターコントロールとして機能し、ステレオソースを簡単にオペレーションできます。コンプレッサーセクションはFeed-Forward、Feed-Backを切り替えることできます。Feed-Forwardはトランスペアレントな近代的レンポンスをし、Feed-Backはスムースでより音楽的なヴィンテージ感のあるレスポンスが得られます。Peakモードは ピークトランジェントに反応するアタックタイムを変更します。約0.1ミリ秒のレスポンスタイムになります。PeakモードがOFFになっている場合 、コンプレッサーはアタック、リリース設定とあわせたRMS信号に応答します。SC HPFはサイドチェーン用の250Hzハイパスフィルターをインサートします。低域音に反応するVCAレスポンスを得られます。Blendはコンプレッションされた信号とドライ信号をパラレルミックスします。コンプレッションされた信号とドライ信号をミックスすることにより、自然な処理がが行えます。(例えば大きなヒットのあるスネアトラックの内にある繊細なブラッシングの処理などに。)自然なダイナミクス感を維持しながら高い音圧を得ることができます。
EQやその他フィルターを使ったより幅広いサイドチェーン処理の為に外部"センド"、"リターン"を用意しています。"リターン"は入力された信号以外の音量を下げる"キー"として使うこともできます。(例えば、ナレーションキーイングコンプレッサーとしてバックグラウンドミュージックの音量を下げるなど)
The Limiter
The Portico II Master Buss Processorは非常に高い汎用性を持ち、トランスペアレントで音楽的なリミッターを備えています。一見すると、ひとつのノブでの操作する簡潔なリミッターなので嘲笑するかもしれません。しかし、このリミッターは大変インテリジェントで、様々な信号に理性的に応答します。私達のこの新しいアダプティブリリーステクノロジーはその画期的なパフーマンス裏側にあります。一定のリリースタイムをブレンドすることで、このリミッターはスネアのような速い信号とベースギターの様な遅い信号を同時に対応することができます。この構成によってリミッターがトランジェントを捕まえてすぐ後に手放すことができ、一定にカウントする遅い信号をより音楽的に扱うことができます。
MBP リミッターは、通常の速い動作をするリミッターに見られる変調歪みが無く、音楽の本質的特性を維持したまま、一般的に可能とされているよりもアグレッシブなリミッティングを提供できます。
通常、リミッターは"どのくらい速い反応をさせるか"と"低周波の変調歪み量"との間でトレードオフがあります。これはサイドチェーンでトリガーされた低い周波数がコンプレッサーを迅速にON、OFFさせられることで全体信号に変調が起きることによります。この事象は正弦波で見ている分にはとても興味深いものですが、音楽的には非常に望ましくないものです。このMBPにはこのトレードオフが無いばかりか、この両方の長所を利用できます。ローエンドの整合性と滑らかさを維持しながら迅速でテキパキとした応答を得ることができるのです。アダプティブタイムコンスタント回路に加えて、リリースタイムはノブの位置によって可変します。ノブは反時計回りに回り、通常のリリースタイムはリダクション量に合わせてより長くなります。
MBPは20kHz波形の最初の半分がスレッショルドを超えた時、03ms の応答をする様に設計されています。スレッショルド値3dbにて10:1レシオよりも優れた結果を達成する"Medium Knee"のratioを持っています。スレッショルドノブが非常に高い値に設定されている時、ソフトクリッパー回路は"knee"に捉えられたトランジェントを捕まえます。 リミッターとソフトクリッパーはノブを時計周りに回しきることで切り替えられます。リリースタイムは完全に自動になっており、リミッティングの平均深度とスレッショルドを超えたトランジェントの持続時間に応じて調整されます。リミッターはコンプレッサーのディスクリート、クラスAのゲインモジュールとVCAを共有しており、その存在自体が音楽信号の劣化を招くことはありません。
これらの新しい技術によって、非常にトランスペアレントな品質を保ったまま、従来のリミッターと比較して2倍のゲインリダクションを可能にしました。
The Stereo Field Editor
MBPに搭載されているステレオフィールドエディター(SFE)は伝統的なM-SテクニックにWidthとDepth、それぞれに対応するバンドパスフィルターを使って新たな高みに取り組みます。
Widthコントロールはステレオイメージの幅を広げたり狭めたりできます。またレコーディングに内包するアンビエントの量を調整することができます。Widthコントロールをワイドの方に回すとサイド成分がブーストされます。ソースによりますがステレオのリバーブ感が強調される結果になります。逆に、ステレオをモノラルに回すと、左右のチャンネルに類似した位相が多く含まれていた場合、モノラル成分が強調されます。もし片側の入力チャンネルに逆相の成分が多く含まれてた場合、打ち消し合い聞こえなくなる箇所が現れます。Widthコントロールのエフェクト量は、オリジナルソースのステレオ情報の量とステレオフィールドエディターのコントロール相互作用に依存しているため最良の結果を得る為にリスニングと実験が不可欠です。
MBPのDepthコントロールはサウンドステージ内の要素の空間的位置を調整します。ソロ楽器やボーカルのようなセンターにパンニングされた要素はミックスの前面に持ってくることができます。多くの場合、音楽に悪影響を与えること無くDepthとWidthコントロールを組み合わせでルームアンビエンス感と立体感を調整できます。
SFEをより良く調整する為にWidth とDepthの回路にはそれぞれ特定の帯域を調整できるフィルターを搭載しています。例えば、低域の量を増やしたい場合、SFEのDepthとDepth EQをONにし、LFに設定します。中域の音すべてににフィルタリングを掛ける(この場合は250Hz)ことでセンターにある低域が聴感上増加します。似たような効果はWidthで行なえる場合があります。Widthをブーストせずサイド成分に含まれる低域をカットすることで同様の効果を得ることできます。さらにWidth Eqを使って、今度はHM(場合によってはLM)に設定してバンドパスフィルタリングされたサイド成分の情報を増やします。楽器、ボーカル、コーラスのリバーブ感に素晴らしいの広がりが得られます。さらに広げることでリスナーを包み込むイリュージョンような音にすることもできます。
もうひとつのテクニックとして、SFEはミッド、サイド成分の信号をそれぞれチャネルA、Bにルーティングできます(SFE to COMP)。この状態にある時、DepthとWidthの量が如何なる設定であっても信号は最初にコンプレッサー送られ、ミッド、サイド成分に対して個別にコンプレッサーを掛けることができるようになります。これでただサイド成分を増やすだけでなくコンプレッサーを利用して小さな音量を持ち上げたり、大きすぎるリードボーカルを馴染ませたりすることもできます。DepthとWidthのEQと組み合わせることにより、広範囲に対応できるエンジニアツールになります。
Spec
- 周波数特性
- Main Output(無負荷):3 dB @ 4 Hz
- 3 dB @ 120 kHz
- 最大出力
- +24.5 dBu.(20 Hz - 40 kHz)
- THD/Noise
- @ 1kHz, +20 dBu output:< 0.006%
- @ 20Hz, +20 dBu output:< 0.20%
- - As above, Silk Blue Engaged, Texture fully CW: Better than 2.5%
- - As above, Silk Red Engaged, Texture fully CW: Better than 3.5%
- @ 20kHz, +20 dBu output: Better than 0.020%
- Compressor
- Threshold:可変 -30dBu - +20dBu
- Ratio:可変 1.1:1 - 20:1 (LIMIT)
- Blend:可変 0% - 100% Compressor
- Gain:可変 -6 dB - +20 dB
- Attack: 可変 20 mS - 75 mS (0.1mS with "FAST")
- Release:可変 100mS - 2.2 Seconds