sE electronics
Voodoo VR1/VR2

リボンマイクのレビューがしばらくお留守になっていました。すいません。

今回はsE electronicsのVoodooシリーズ、VR1/VR2を見ていきましょう。

Product Overview of Voodoo VR1/VR2

お約束Spec比較です。

VR1はPassive Ribbon Mic、VR2はActive Ribbon Micになります。使用されているリボンはどちらも同じのようですね。ベーシックな設計は共通点が多いようで、周波数特性、最大音圧レベル、S/N比は似たような値をしています。

一番違うのは、感度ですね。VR1が-55dBなのに対して、VR2は-40dB、15dB違うと使用対象の楽器が変わりそうですね。

参考にメジャーなマイクの感度を記載しておきます。

最大音圧は135dB SPLですからVR1はダイナミックマイクのリプレイスメント、VR2はコンデンサーマイクのリプレイスメントとしての使用も視野に入ってきますね。

リボンマイクですからKickのHoleや屋外のイベントなど「風」に影響を受けるところには使用しないほうが良いと思いますが、屋内のステージであればLiveでも問題ないと思います。

もうすでにご覧頂いた方もいらっしゃるかもしれませんが、リボンマイクをつらつらと試した動画を以前作成しました。

ソースはエレキギターで4種類の音色で収録してあります。

VR1とVR2の周波数特性曲線も非常に酷似していますが、僕には少しだけVR2のほうが太いように感じます。

VR1周波数特性曲線 VR2周波数特性曲線

この感じですと楽器の音量に対して使い分ける、が正解だと思います。ややおとなし目のDsのO/HやAcoustic GtなどはVR2、E.Gt ampやRip LeadのTpやTbなどにはVR1が良いように感じます。

これとは別のタイミングでDsのO/Hにステレオで使用してみました。Blumlein Methodにしたかったのですが、ホルダーの関係で断念しました。

いわゆるNOS methodに近いマイキングでDsを狙う感じにしました。

Mixを担当するinknくんはその音色を甚く気に入った様で「バンドにもよるだろうが、これは今後ぜひ試していきたい...」と言っていました。

ちらっとdataを聞かせてもらいましたが、コンデンサーマイクとは異なる音質で非常にRock Dsが収録されていました。

リボンマイクというと、僕も取り扱いや保管が大変なマイク、という印象が昔はありましたが、今は意外とすんなり使っていけるマイク、という認識です。もちろん音響機器全般に言える振動や湿度は大敵でしょうからどう使ってもよい、というものではありませんし、風や大音量も苦手とするところでしょう。

しかしそこから得られる音色はダイナミックマイクやコンデンサーマイクでEQ処理をしたのとは異なる音色です。リボンマイクの中では比較的安価な部類に入るVR1/2、興味がある方はぜひ試してみてください。