beyerdynamic
SPACE

COVID-19のせいで急速に発達した印象のあるRemote Conference Systemですが、マイクとSpkeaerが近距離に配置されるためハウリングの悪影響は無視できないものでした。Headphoneを使用したりして回避する方法もありますが、長時間ともなるとなかなかストレスです。いくつかのメーカーがSpeakerphoneなる製品を販売していますが、今回はbeyerdynamicのSPACEを見てきましょう。

Product Overview of SPACE

SPACEは4つの指向性マイクとスピーカーが1体となった製品で、PCとのUSB接続、Bluetoothでの接続が可能です。

主要な仕様です。

充電時間
最大2.5時間(USB-C)
動作時間
平均20時間(使用方法により異なる)
バッテリー
リチウムイオン
スピーカー
1.5インチフルレンジスピーカー x1基
パッシブラジエーター x2基
最大スピーカー出力
5W RMS
最大SPL
81dB @1kHz
マイクロホン
MEMSマイクx4基
Bluetooth®バージョン
Bluetooth® 5.0
プロファイル
HFP、A2DP
接続
USB、Bluetooth®
寸法
132(W)×132(L)×40(H)mm
重量
354g
付属品
持ち運び用収納袋
USBケーブル (USB-C® - USB-C®)
USB-C® - USB-A変換アダプター

重すぎず、本体重量は354gということで重すぎず軽すぎず、といった印象です。

使用方法により異なるとはいえ、平均して20時間時間使用できるのはありがたいですね。

マイクは側面に4つ搭載されており、周波数特性は100 ... 10kHz、Speaker出力は5W rmsです。

底面には1/4"のネジ穴がありますから机上設置のみならず、カメラ規格の三脚や Holder側が1/4"の(カメラ)マイクスタンド変換ネジを使用してマイクスタンドに取り付けることも可能です。

側面の電源ON/OFFのボタンを押すとリング上のインジケータが光り、効果音が流れます。バッテリー残量を英語で伝えてくれ、Bluetoothが接続されていれば、"Your device is connected"と教えてくれます。

接続に関して簡単に触れておきましょう。Bluetoothの接続の際にはBluetoothのシンボルマークを押す/触れると"Pairing..."と通信モードに入り正常に接続できると"Your device is connected"と通信確立のお知らせが再生されます。

SPACEは通常モードで最大8台のBlutooth Deviceに接続可能とのことです。今回はiPhoneとiPadで試してみました。最初うまくいかなかったのですが、SPACEのFirmwareを1.0.06(執筆現在最新版)にすることによりすんなり接続できました。iPadで音楽を流して、iPhoneの拡張マイク/スピーカーとして通話も可能です(電話の際には再生音楽は遮断されます。プロファイルにより優先再生の順位が決まっています)。

一度接続したBluetooth DeviceはSPACE側でも覚えていて、自動的に接続を行います。Resetしたい場合にはBluetoothボタンを10秒ほど長押しします。内部の接続履歴が消去され再設定が可能です。接続するDeviceをどんどん更新しないと行けない環境、例えば会社で複数の会議に連続して出席する必要がある、場合などでしょうか。

電源のON/OFFを除いてすべてのコントロールを上面に配置されたリング上の操作で行います。だいたい直感的に予想が付きますし、合わせ技は今のところ無いようなので特に説明の必要は無いかと思います。小文字の"y"のようなbeyerdynamicのLogoマークですが、これはマルチファンクションなボタンで、使用中の機能により若干挙動が変わります。Smart Phoneからの音声再生時にはPlay/Pauseボタンとして機能し、短い間隔で2回押すと前の曲の頭出し、3回だと次曲の頭出しに使用可能です。長押しするとパーソナルアシスタント(iPhoneでいうところの"Siri")の呼び出しが行なえます。

わかりやすい日本語の取説も付属しますので詳細はそちらを御覧ください。

Sound Impression of SPACE

さて、実際の音と参りましょう。今回はWin10のPCとiPhone12で試してみました。

As the expansion speaker of smartphone

よく聞く音源をiPhoneから再生し、iPhone本体のSpeakerとSPACEで聴き比べて見ました。好みは別として傾向をお伝えするとSPACEのほうが中低域に余裕があり、同社のマイクを使用した経験をお持ちの方であれば、「beyerdynamicの音」と思ってもらって差し支えない印象です。

iPhoneにインストールしてあるRecoderアプリを起動して録音してみましたが、SPACEのマイクが記録可能です(アプリのSpecやSmartphoneの設定にも依存すると思いますのでこの用途を保証するものではありません)。

試しにOscillatorで色々な周波数を再生ましたが、低域に行くにつれSPACEの再生能力がiPhoneのそれを上回っていきました(限界はありますが...)。

さて、Win10にUSB接続してみました。SPACE本体側面にUSB-C®端子があり、USB-C® - USB-C®のケーブルとUSB-C®←→USB Aの変換コネクターが付属しますのでそれを使用しました。ドライバー不要であっさりと認識されています。YouTubeなど再生してみましたが、程よい音量感で再生されます。

現行のFirmwareではUSB接続したときにはBluetooth接続の音声は使用できません。

Bluetooth接続は切断されないのですが、USB接続の音声が優先になるようです。

As a small PA in online conference

さて、Speakerphoneが最大の活躍を見せるのはやはりWeb会議の場所では無いでしょうか。Headphoneという手もありますが、会議室からのプレゼンなどの場合には動きに制限が出てしまうという部分もあります。Bluethooth Headphoneという製品も出回っていますのでさほど困らないと思いますが、複数人が1つの会場から参加する、という場合にはHeadphoneのdistributionの問題もあります。Bluetoothは原則1:1なのでこれも困難です。

こういったときにSpeakerphoneであれば、それを囲むように人を配置し普通に会話するだけです。既述の通り4方向のマイクを搭載していますので、SPACEとしては平面方向は無指向性といってよいでしょう(トーラスのような指向性グラフになるでしょうか。)

このマイクは最大音量(喋っている人の方向)を感知したら他のマイクにはDuckingが入るとのことで更に明瞭度を高めている、とのこと。

僕も実際にRemote会議に参加したことがありますが、通常の会議と異なり、「誰かが発言している間は他の人はちゃんと聞いている」ということが多く、割り込みは少ない印象です(だから時間がかかる、というのも有るのだと思いますが)。

実際に相手方にもSPACEを利用してもらいZoom会議もどきを行ったのですが、非常にストレスが少ない印象です。声の通りもよく、平面の無指向性と相まってSPACEを囲むように人が配置されていれば問題なく会話が成立します。

適した人数は1-6人くらいのイメージでしょうか。

Afterwords

拡張性には乏しいと言わざるを得ませんが、やや多機能なSpeakerphoneという印象でしょうか

カラーバリエーションも3色あり、どの色も会議や日常生活でストレスを受けづらいと思います。

個人の利用も良いと思いますが、会社での少人数の会議などにも威力を発揮するでしょう。

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