audio-technica
ATM98

今回はaudio-technicaが昨年末に発表したダイナミックマイク ATM98をみて行きましょう。

年始にaudio-technica O田サンがいらしてそのタイミングでチェックできました。

O田サンありがとうございました。

Product Overview of ATM98

ATM98の最大の売りはアルニコ磁石を使用した,という部分だと思います。

スペックです。

型式
ダイナミック型
指向特性
単一指向性
周波数特性
70 ... 16,000Hz
感度(1V/Pa、1kHz)
-57dB
出力インピーダンス
250Ω
外形寸法
φ46×179mm
質量
325g
仕上げ
マットブラック焼付塗装
付属品
マイククランパー AT8470、変換ネジ(3/8-5/8)、ポーチ

持った感じはSM58や同社AE6100より少し重たいかな,という印象ですね。15gしか変わらないので僕の気のせいかもしれません。

Sound Impression of ATM98

早速チェックです。ボーカルマイクというと避けては通れない,SHURE SM58との比較ですがまずATM98だけで声を出してみました。
思わず「お,太い!」と声が出てしまう感じの太くどっしりとした音です。

抜けが悪いという感じはまったくしません。

audio-technicaのマイクにはいわゆる「audio-technicaサウンド」があるわけですが,ATM98はちょっとその系統から外れている感じです。僕が持っているaudio-technicaサウンドの印象は中域の特性,という印象なのですが,ATM98はもっと下,中低域にエネルギーを感じます。

低い所が埋もれずしっかり出てくる感じと申しましょうか。歪んだギターが2本あるようなハードコアなどでもVocalが埋もれないのかな,と感じます

ハウリングマージンも高めとのことでツイーターの軸上に並べてSHURE SM58と比較して見ました。スピーカーの機種や設定などにより異なると思いますが,今回はATM98のほうが20-30cmほどツイーターに近づけることが出来ました。これは結構大きいと思います。

さて,SHURE SM58との比較です。

ATM98のほうがしたがしっかり出ている感じ,SHURE SM58のほうが高域にパキっとしたピークを感じる音です。

ボーカルの存在感をアピールしたいときに高域で攻めたい場合にはSM58やBeta57Aなどがあうのかもしれませんが,スムーズさや低域の太さをアピールしたいときにはAMT98のほうが合うでしょう。

本来の使い方かどうかわかりませんがギターアンプ,Marshallに使用してみました。ストラトタイプのシングルコイルで適度に歪ませ「ジャキーン」と。

スピーカーのセンターコーンあたりを狙ったにもかかわらず太めのなめらかな音がします。

耳が痛い感じの音をうまく逃したいときなどにいいと思います。ヘヴィに歪んだギターだと逆効果だと思いますが...

さっきのハードコアの例で行くとベースとぶつかりがちなギターは高域に伸びのある感じのBeta57Aなどのマイク,中低域にしっかり存在させたいボーカルはATM98みたいな感じでしょうか。

さて,スネアにも使ってみました。

中低域がしっかりしているのでやはり存在感あるスネアです。コンプの掛かりがよさそうな印象です。

改めてマイクアレンジって大事だよなぁー,と思いました。楽器の特性にあったマイクを適切に選択し,それらを適切にマイキングする。

もちろんSM57だけでいろんな音を作れるスキルを否定するつもりが全くありませんが,録音がSRの現場では,「一旦出してみた音」が良ければ演奏者のストレスは非常に軽減できるのではないかと思います。

レコーダーに入る音が「とりあえず」ではなく「理想に近い音」になっていることは決して悪いことではないでしょう

Afterwords

万能か?と言われるとちょっと気になりますが,SHURE SM58が万能か?と言われても「そんなことはないでしょう」という意見が多数を占めると思います。

定番=万能という図式はある程度間違っていないと思いますが,結構メーカーの戦略的ににうまくいったから定番になっているという部分もあると思います。

特にボーカルマイクはボーカルさんの声質に合わせてご自身で「マイマイク」をチョイスしていただくのが一番いいかな,と思うときもありますが,そんな中,選択肢に入れていただきたいマイクの一つです。

audio-technica,ATM98 画像

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