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AT6099

今回取り上げるのはインシュレーターです。インシュレーターという単語も馴染みが少ない方もいらっしゃると思いますので簡単に説明しておくとinslate:隔離する,遮断するという意味の単語で,Inslator:遮断材というイメージの単語です。断熱材などもニュアンスとして含むようです。

我々が一般的に遣うインシュレーターは主にスピーカーの下に使用する,振動を遮断するためのものです。

弊社Annex RecのControl RoomでもAT6099ではありませんがインシュレーターは活躍してくれています。

Product Overview of AT6099

実際に初めてAT6099を試したのは10年近く前だと思います。

何かがきっかけで試して,音の変化に驚愕しすぐに買った記憶があります。じゃぁなんでそんな昔のことを今書いているかというと最近また店頭でインシュレーターAT6099が人気だからです。

さて,AT6099ですが直系30mmの真鍮です。ですから持った方はみなさん声を揃えて「あ,重たいんですね」とおっしゃいます。インシュレーターの材質はいろいろあるようですが,振動の遮断が目的ですから軽くて,簡単に動いてしまうものは良くないのかもしれません。

AT6099は6個セットになっており,僕は3つずつ使用していますし,その方法をお客さんにも薦めています。

その理由は簡単で,4点で固定するとガタつきが出る場合がありますが,3点だとそれは起こりえません。机の上など,平らなところに置くとは思いますが,「原理的に平面が決定される」のと「ヒョッとしたらガタつきがあるかも」という部分を比べたら僕は前者の方がすっきりします。

Sound Impression of AT6099

さて,では音に移りましょう

1つのSpeakerに対して3つ使用すると書きましたが,普通に考えると前が2つと後ろが1つ前がひとつで後ろが2つになると思います。

最終的には好みなのでどちらがいいとは言えないのですが,僕の経験からだと前が2つと後ろが1つの場合には中域にエネルギーがある印象で前がひとつで後ろが2つですとすっきりしたワイドレンジな音になる印象があります。

個人的には後者の方が好みでAnnexのインシュレーターの配置も前がひとつ(ウーファーの真下)で後ろが2つになっています。

さてスピーカーのサイズや重量,出す音量に依存すると思いますから,一概には言えないと思います。ちなみにTA6099は1個あたりの耐荷重は5kgほどです。超えると壊れるというようなことはありませんが,おそらく底面の材質が重量で潰されてしまって,真鍮が直接机などに接触し効果が失われるのだと思います。弊社で販売で一番多い組み合わせはFostex PM0.4n+AT6099という組み合わせです。

重量的には軽いので前述のような心配はありませんし,出力的にもPCサイドにおいてモニターとして使用するのにもってこいです。

さて,インシュレーターを使用すると前述のように周波数的なワイドレンジに加え,位相感が整います。Mixの奥行きが見えるようになり,左右もインシュレーター未使用時よりワイドに広がります。

解像度が高くなるので聞きなれた音楽を聞いていても新たな発見がありますし,音量を上げなくても高解像度な音像が得られるので耳にも優しく作業を進めていけます。

もちろん設置する部屋の特性もあるので,インシュレーター入れたらすべてOK!というような魔法のアイテムではありませんが,「モニタースピーカーを買い換える」という選択肢の前に是非試していただきたいです。

大容量のスピーカーを鳴らすには,やはりそれなりのパワーが必要で,そうなると防音,吸音処理をしていない部屋はあっと言う間に音が飽和します。そうなるとやはり小出力の,部屋のサイズに合ったスピーカーということになりますが,サイズが小さくなりますから低域が不足します。

もちろんインシュレーターを入れて,低域が劇的に伸びることはありませんが,小音量でわかりやすいモニタリングが可能という印象です。

Afterwords

価格帯的にも非常におすすめです。僕は自宅のオーディオ用のスピーカーにもインシュレーターを使用していますが非常に役にたっています。ぜひみなさんも試してみてください。

audio-technica,AT6099 画像

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