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Steinberg Cubase5.0.0セミナー

まえがき
-Needless Preamble-

Apple Logic,MOTU Digital Performer,Cakewalk by Roland SONARと並びNative DAWとして人気の高いCubaseがついに5.0にMajor Version up!
2/17-18に行われたセミナーの様子を中心に、すべての機能を完全にお伝えするのは難しいと思いますが、その新機能の雰囲気だけでも伝わると幸いです。
今回は主に"Creation ToolとしてのCubase"という形の切り口からのセミナーでした。

-About Version up-

今回のVersion UP以前のVersionは確か4.5.2, MR816シリーズのリリース時にDSP エフェクト使うためのVersion Upが最後でした。
今回のVersion Upは基本的に4.5.2に新しく追加機能を付加したとのことでCoreTechnologyはVer4.5.2の時のままです。このように書くと「何処がVersion Up?」という声も聞こえてきそうですが総数23以上もの新機能が追加されているとのこと。
これは立派にMajor Version upと呼ぶに相応しいと思います。
また、安定稼動しているVer4.5.2のCoreTechnologyをBaseにすることにより、MajorVersionUpでありがちだった Ver X.2位までバグが残っている、不安で使えない、常にpatch Fileの公開を気にしていないといけない、などということから開放されます。
開発メーカーの肩を持つわけではないのですがどんなハード/ソフト製品もユーザーからのフィードバックがあってどんどん完成度が上がっていくものではないかと思います。

昔Apple Computerの広告文句に
メーカーの理論よりユーザーの直感が正しいというのがありましたが、言いえて妙だと思います(どこかで書いたな、これ)。

今回のVersion Upに伴い、Cubaseの中身が変わりました。というかDVDコンテンツが変わりました。DVDに収録されているのは

がコンテンツとして入っています。またInstallの際にはSteinberg keyのActivationのためにInternet環境が必要となります。

さて気になる作動環境ですが、

Macintosh

Windows

(公式webより)

です。

何処まで参考になるか分かりませんが今回のセミナーで僕の前にあったPCのスペックを記載しておきましょう。

これを使ってセミナーは進んでいきましたが、(Vistaなのに)クラッシュすることもなくさくさくと操作できました。

Futures

お待たせしました。いよいよ新機能の紹介です。セミナーの順を追いかけることにします。音に関することなので文面でしかも僕の稚拙な文章力で何処まで伝わるか、はなはだ疑問ですが、ちょっとでも興味を持ってもらえればいいかなと思います。

Vari Audio

ついにCubaseにもピッチ補正ツールが標準搭載されました。「待ってました!!」という方多いのではないでしょうか。対抗馬として良く挙げられる「SONAR」にはV-Vocalというピッチ補正ツールが標準搭載されています。店頭で
「Winで使えるDAW欲しいんですけど...」
というお客さんにはやはりCubaseとSonarを勧めるのですが、V-vocalのインパクトは結構なものらしくCubaseは若干押されぎみでした。
両者共に非常に優れたDAWであり、お互いに無い機能などもあるのですが、「単体(=プラグインに頼ることなく)でピッチが操作できる」というのは確かに便利です。

さてではその機能を簡単にですが見ていきましょう。ピッチを補正したいサンプルをダブルクリックして、サンプルエディターを開き、左側のインスペクター内のVari Audioをクリックすると起動します。

ピッチ移動

当たり前ですね。これが出来なくて何がピッチ移動ツールか?!という機能でしょう。Cubaseがリアルタイムで解析した音程に基づいたカラーボックスがでてきますので(fig.1参照)MIDIノート感覚でピッチを変更することが可能です。Seqソフトから発展してきたことを感じさせる、ユーザーに優しい設計ですね。フォルマントも自動解析なのであまりおかしな声にはなりません。

Vari Audio
fig.1 Vari Audio

ピッチクオンタイズ

fig.1を見ていただければお分かりいただけるかと思いますが、Cubaseが解析した状態では完全に各Noteに一致しているわけではありません。それをビブラートなどは生かしたまま各ノートにアジャストします。それもあわせるかあわせないか、ではなく、スライダーを用いて「どのくらいあわせるか」というのもユーザーが決めることが出来ます。ちょうどGroove Quantizeの"%"のようなものだと思っていただいてよいと思います。

ピッチライン編集

人間が歌うとどんなにピッチが正確な人でも若干のゆれや、ピッチチェンジの時にある程度甘い部分がでると思いますが、これをボコーダーで修正したかのような直線だけで構成されたピッチカーブか、オリジナルのカーブかをこれまたインスペクター内の「なめらかピッチ曲線」スライダーで決定することが出来ます。
これらだけでかなりの精度のピッチ編集が可能です。

「なめらかピッチ曲線」ってちょっと面白い名前ですね。英語版ではどういう名前なんでしょう"Pitch Smoothness"とか"Straighten Pitch"とかですかね。

このほかにもピッチの編集する部分の場所を選べたり中々憎い小技が満載です。Steinbergが満を持してだしたPitch編集ツールという印象です。

また編集したピッチ情報をMIDI機能として出力できます。鼻歌でうたったナイスなメロディをあっというまにMIDIデータ化が可能です。

このVari Audioはステレオ素材にも有効とのことです。和音のトラックに対してはちょっとまだ試せていませんが、試せ次第追記していきたいと思います(デモンストレーターの青木さんいわく「結構ついてくる」とのこと)。

Vari AudioはPlug-inではなくCubseの1機能です。ですからコピーやスライドさせても編集した場所の関係は保持されています。(AutoTunesだとこれが...)。次はVari Audioとは別のエンジンを持ちプラグインとして作動する、その名もPitch Correctです。

Pitch Correct

前述のVari Audioに対しPitch CorrectはVST3 plug-inです。
あくまで僕の印象なのですがVari Audioが細かい編集が得意なのに対し、Pitch Correctはザクッとハーモニーを作るとか、エフェクティブなラインを考える、ということのほうが得意な印象があります。
とは言ってもパラメーターはしっかりしており、フォルマントやScale Sourceも修正可能です。Scale Sourceは外部MIDI dataも受信できます。

これらのpitch編集系の機能紹介の動画がSteinberg Cubase5 新機能Pitch編でご覧になれます。

LoopMash

次はビート制作ツール系に移ります。まずはLoopMashです。後述のGroove Agent ONEBeat Designerは結構説明しやすいのですがLoopMashは難しいですね。公式webの単語を借りるなら「インタラクティブ ループシンセサイザー」ということになります。

Loopを貼り付け、スライダーなどをいじることによりリアルタイムにLoopにフックを持たせたり、ジャンル(?)を変えることが可能です。しかもその設定はMIDI NOTEに対応した12個のPADにアサイン可能で、これだけでちょっとしたイベントなどのネタは出来てしまうのではないかと思います。これは長々説明するよりも店頭で見てもらうのが一番だと思いますので、お気軽に店頭へ!

Vari Audio
fig.2 LoopMash

Groove Agent ONE

Groove Agent ONEは分かりやすいです。画像からも分かっていただける通り、PADリズムマシンです。Media Bayから直接dataをドラッグできるほか、PADリズムマシンの元祖(?)MPCフォーマットも読み込めます。膨大なライブラリーをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、それをCubaseでも活かすことが出来ます。

もちろん音色のeditも可能です。またPADをクリックする場所でヴェロシティが変化します。下側をクリックすると弱く、上側だと強くなります。Virtual Keyboard([Q][2][W][3][E][R][5][T][6][Y][7][U][7][I]をC,C#,D,D#,E,F,F#,G,G#,A,A#,B,C)として使用可能なモード)の時にはVel=100のようです。

またCubase内でスライスされたファイルもPADアサイン可能です。更に更に、それをMIDI dataとして書き出せるというのですから嬉しいじゃありませんか。

Groove Agent ONE
fig.3 Groove Agent ONE

Beat Designer

さてビート系最後のプラグインBeat Designerです。これは言ってしまうと、「Step Sequencer」です。基本的なStep Seqをベースに連打など嬉しい機能が追加されています。ヴェロシティなども色で判別

Beat Designer
fig.4 Beat Designer
これらのビート系の機能紹介の動画がSteinberg Cubase5 新機能Beat編にてご覧いただけます

VST Expression

ストリングスやブラスなどの打ち込みに大活躍しそうな機能です。グリッサンドやトレモロ等のアーティキュレーションを譜面(スコアエディタ)上やキーエディタ上で直接入力可能です。
グリスって結構MIDIのstepで再現するの大変ですよね。昔は僕は手動でベンドをかけてそれをエディットしていました。それが1クリック!場所もキーエディター等で細かく修正可能です。

REVerence

IRテクノロジーを用いたコンボリューションリバーブが搭載されました。その名はREVerence。70種類のIRが搭載されておりリアルな音質が体験できます。セミナー時は時間がなかったのでちょっと細かきことや、お勧めのプリセットなどはかけないのですが、自身で試して追記しようと思います。お楽しみに!!

プラグインではIRは結構増えてきていますが(チップ性能の向上ってすごいですね)、昔ハードでそれを実現したものもありました。YAMAHA SREV-1やSONY DRE-S777辺りが有名(?)でしょうか
いくら発売から数年がたっているとはいえ、価格の差にビックリです。
リバーブだけにCPU消費量が気になりますが、Roomworksよりもちょっと重たいという程度だそうです。またサンプリングリバーブなのでやたらリバーブタイムを長くしたりはできません。情報量も多いため下手に使うとあっというまに飽和しそうな印象を受けます。ただやはりRevはMixでは必ずといっていいほどエフェクトなので種類が増えたのはとても嬉しいです。t.c. electronicのVSSなども併用していたので、今度何かの機会にREVerenceを使ってみようと思います。

REVerence
fig.5 REVerence

Total Export

Cubaseで録音/制作した素材を用いて、ライブをやりたい。友人にMixを頼んだはいいがそいつが持っているのはCubaseではない..、というときにはAudioを書き出す必要がありますが、4Trくらいならまだしも30trとかになるともはや罰ゲーム。

ライブなどもマシンパワーが相当あれば問題ないのかもしれませんが、フットワークを軽くしたい部分もあると思いますし、書き出しについてはOMFを使うという手もあるかと思いますが、某メーカーは何とかtranslaterを用意しないと使えないとかもあります。
その罰ゲーム感を吹き飛ばす強い味方(?)がTotal Exportです。オーディオミックスダウンの機能が拡張された、という感じですね。グループチャンネルを1度のバウンス処理で出力できます。

Afterwords

さぁいかがでしたか?国内販売は3月中旬です。新しく買うも良し、アップグレードするも良し。そうそう、アップグレードの話題ついでに、今回のUpGraderがどの製品を対象としているか記載しておきます。

を対象にUpGradeKitが発表されます。AI4などにもどかしさを感じていた人等いかがですか?使い慣れたDAWの限界性能を体験する意味でも是非Cubase5。触ってみてください。

index.shtml pix pixstyle.css この記事の最終更新日はJan 06, 2016 Wednesday 18:05 JST ,
Product Review最終更新日はJul 17, 2017 Monday 13:28 JST です。
最新記事はAntelope Audio Zen Tourです。