<

Roland
M-400

今回は弊社で行ったデモンストレーションの時のご紹介をしましょう。
音響、照明、映像のシステムを改良したい、というリクエストを受けまして、Roland M400 V-mixing システムのデモンストレーションを会場で行ってきました。そのときの様子を交えつつM400の音質、操作感などをご紹介していきたいと思います。以前Roland Audio&Visual Solution Fair reportでM400を紹介しましたが、そのときは主に機能、スペック、Reacの説明に終始してしまいましたが、実際に僕がオペレーションをしてその会場でイベントを完了させてきたので、参考にしていただければと思います。

M400

とはいえ、ある程度は予備知識が必要だと思います。同じことを記載しても仕方ないので、M400についてはRoland Audio&Visual Solution Fair reportRoland V-mixerを見てください。

Demonstratioon

Event Contents

今回のイベント内容はDance Performanceです。幼稚園児-二十歳くらいまで年齢層の出演者がダンスを行い、その合間に少しLiveのような感じで楽器演奏も入ります。
「回線は12chくらいかなぁ」と考えていたのですが、蓋を開けてみるとそんなことはなく、20chほど使用しました。
  1. Pf L
  2. Pf H
  3. Bass
  4. Gt
  5. Vox1
  6. Vox2
  7. Vox3
  8. Vox4
  9. Vox5
  10. Vox6
  11. Vox7
  12. Vox8
  13. MD1L
  14. MD1R
  15. MD2L
  16. MD2R
  17. CD L
  18. CD R
  19. Rev L
  20. Rev R
  21. Talk Back

Set up

FoHのSpeakerは弊社のシステムを持ち込みました。Apogee Soundのシステムです。
いつもどおり搬入、設営を始めます。
Consoleの場所を決め、Console周りの接続などを行っていきます。マルチを這わせて...と思った次の瞬間、「そうだ、Reacだからマルチいんないんじゃん」と思い出しリールを持ってステージから伸ばしてきました。
あっという間です。軽いっていいですね。この軽さで100mまで対応でき、しかも片側40ch伝送可能です。今回ステージボックスはS-1608×2です。HAなどを駆動する電力が必要なので、AC100Vが必要となります。すべて接続して、M400の画面を見ると、ちゃんと認識しています。I/Oのアサインを済ませ、CDでSpeakerの簡単なcheck、マイクを使用してのTuningに移ります。
出力周りに関してはアナログ回線が極めて短い(5mほど)ので非常にロスの少ない伝送が可能ですまた。入力に関しても、XLRケーブル10mほどでADされますので非常にフレッシュな音質が聞けます。高域(10kHz-20kHzあたり)のEQの効き方がいつもとまるで違います。
FoH,F/BのTuningもすべて内部のGraphic EQで完了させ、シーンに登録します。
Vox1-8までには軽くCompをかけ、HPFなどいつもの設定をこなします。取説を一切読まなかったにも関わらず、さくさく作業できます。
慣れの部分を大きいと思いますが、いわゆる"selected channel"方式なのでさほど困らないと思います。Displayの左側にある[CHANNEL EDIT]でほとんどの操作は可能です。軽くリハをやり、音量などを確認してもらい本番に備えます。このときはまだREACドライバーが完成していなかったのでマルチ収録は行いませんでしたが、先日のRoland Audio&Visual Solution Fair2008では発表されていました。今後Reacを使ったマルチ収録も増えていくかもしれません。映像、照明のデモンストレーションも兼ねていたのでそちらのセットアップに移り、後は本番を迎えるのみです。

撤収

本番が無事終了し、撤収作業、いわゆる「バラシ」です。ここでも感動したのがREACのケーブルです。弊社のマルチケーブルは40m-50m位のものが多いのですが、16chや24chくらいになると巻くのが一苦労です。時間も食いますし、現場で疲れているときにテンションが下がる作業ナンバー1です(苦笑)。これも今回はリールにまいていくだけですからラクチンラクチン。
撤収完了後、何かやり忘れているような気持ちになりました(笑)。

Sound Impression

さて音質ですが、クリアで解像度の高い印象を受けました。EQなどもしっかり効きます。EQのアルゴリズムが良く出来ていることに加え、AD/DAのパーツもしっかりしたものを使用しているのでしょう。どんなに良く出来たEQでももともと入っていない周波数はいじれませんから。アナログの長距離マルチになれている方は、その高域の印象の違いに驚かれるかもしれません。ためしに「いつもの感じだとどうなるのかなー」とLPFを入れてみたところ10kHzまで処理したあたりで印象が近くなってきました。「今まで、こういった状態の音を聞いていたのか...」とちょっとショックでした。必ずしも、正確なことが良い、とは思いませんが、無理やりな処理をすることなく、高域の高い再現性が保てるというのは、音作りの選択肢が増えたようでとても嬉しいです。

Afterwords

FirmwareのVersionも1.1に上がり、フレキシビリティの向上など、ここ数ヶ月の間にRSSに寄せられたリクエストも反映されています。僕自身もDyn,EQに対してのリクエストを伝えてありますので、ひょっとしたら、反映されるかもしれません。
Mixing ConsoleではなくMixing Systemの中核としてのミキサーではありますが、やはりシステムとしてのアドバンテージを大きく感じます。
test driveも引き続き行っております。是非皆さん自身でV-Mixing Systemを体験してみてください。クリックで販売ページへジャンプ、別ウィンドウが開きます。

date:
checker:Takumi Otani

RSS by Roland,M400ショップページへ

Product Review