KRYNA
Stage series

今回はスピーカースタンドです。「おいおい、スピーカースタンドって高さ稼ぐ台じゃん...。」と思った方も多いと思いますが、これがそうじゃないんです。
僕もスピーカースタンドに対しては上記の印象があり、「あまり素材の音がしない物、共振しない物が向いているんだろーな」と言うくらいなもの。Annex RecのC/Rのスタンドというか台は重量ブロックですから(安上がりです)。

今回幸運にもKRYNAさんのStageというスピーカースタンドを試聴(?)する機会を得たのですが、驚愕です。これにさらにD-PROP,などを組合わせてみたのですが、いやはや...。

Product Overview of Stage

さて、STAGEを見ていきましょう。

大きく2つのラインナップがあり、底板がスパイクで支えられるか、T-PROPで支えられるかの違いです。スパイクのバージョンを購入してもあとからT-PROPのみを購入して付けることは可能です。

商品はすべてペアでの価格で、型番も非常に分かりやすく、さらにカスタムオーダーが可能です。

すべての型番はS**-****(T)という形になっており、Sの後の二桁が支柱の高さ、ハイフンの後の4桁のうち最初の2桁が天板のサイズ(全面の横幅)を、後ろの2桁が底板のサイズ(全面の横幅)を表します。4桁の数字の後にTが付いていれば、T-PROP標準搭載、と言う事になります。つまりS60-2224Tという型番の場合、本体高さ60cm(天板と底板がそれぞれ1cmづつあります)、天板横幅:22cm(奥行き:30cm)、底板横幅:24cm(奥行き:32cm) T-PROP付属、と言う事にあなります。

前述のとおり支柱の高さ,天板のサイズ,底板のサイズをカスタムすることが可能です。ご自身のスピーカーのサイズを測定後、ベストマッチングなSTAGEの価格を調べることができるのがこちらStage 定価シミュレーションです。さすがに天板のサイズを底板より小さくする人はいないと思いますが、可能は可能です。標準生産状態では天板よりも一回り大きなサイズが底板になるようです。

KRYNAさんサイトにての7つのポイントが公開されています。

  1. 異種材の張り合せ構造でスピーカーの振動を直接吸収する「アルミ+スチール複合天板・底板」
  2. 天板の振動を分散させて逃がす「VD-PROP」
  3. 振動を熱変換で低減させる「超微粒砂」
  4. 支柱の振動を砂へと逃がす「放振フィン」
  5. 低重心に寄与する「ピラミッドバランス構造」
  6. スタンド専用スパイクインシュレーター「T-PROP」
  7. 音の解像度・広がりが大きく向上する「ダイアモンド・フォーメーション」

ざっくり書くと「制震」と言う事に行き着きそうな感じです。KRYNAの社長さんともいろいろ話したのですが、「インシュレーターの置き方」に関する話題が非常に面白かったですね。それはSTAGEにも採用されているDiamond Formationという内容です。実際にインシュレーターは置き方によって音が変わりますが、僕は前に1つ、後ろに二つという置き方が気に入っていて基本的にそれで使用しています。Annex RecのC/Rも然りです。このDiamond Formationを試したときにはほんとに悔しかったです。正解までもう一歩というところまで来ておきながら、最後のつめが甘かった、と言う印象です。

Sound Impression of Stage

さて、うんちくはいいからどう変わるんだね?と言う声が聞こえてきそうなので、試聴の内容に移りましょう。

まず最初に同じ高さのスタンドにインシュレーターなど無しで置いて試聴してみます。いつもインシュレーターを使用しているので音がちょっと詰まった感じになります。「うん、まぁこんなもんですよね。」とスタッフさんと。

その後横にスタンバイしてあったSTAGE(T-PROP付属)にポンとスライドさせました。「えー、嘘!」と言う感じです。

インシュレータを使用している時よりもよくなりました。周波数レンジは上下に伸び、サイズからはありえない量感あふれる低域と無理なく自然に伸びる高域が広がります。定位も綺麗に広がりごちゃ付いていた音像が綺麗に見えてきます。奥行きも見えるようになり、粗悪な2Dだったものが高解像度な3Dになったようです。ラジカセからスタジオモニターに切り替えた感じというとわかってもらえますでしょうか。

この驚きように気を良くした(?)KRYNAのスタッフ、次にD-PROPを持ち出してきて実際にDiamond Formationの効果を実演してくれました。その原理を伺い、実演で確認できたので非常に納得が行きました。オーディオアクセサリーって理論的にしっかりしているアイテムとそうではないもに分かれる印象がありますが、Diamond Formationの発想は間違い無く前者であり、コロンブスの卵でした。

詳細はDiamond Formationの詳細を見ていただくとして、その効果は非常に大きいです。

2012/11/21追記

運良く一般家屋に設置する機会を得たのでその様子もレビューしたいと思います(購入者の方には許可をとってあります)。

それまで仮設のスタンドに設置して使用していたモニター環境を一新,という事でStageの導入が決まり,設置してきました。

高さ的にはS90-1820Tが良かったそうなのですが,高さを変更したい時にT-Prop部分だけだど少し不便かもしれない,との事でブロックを積み上げそこにS10-1820Tを設置することになりました。ブロックのサイズ(10/12cm)を変更すれば2cm刻みで高さを変更することが可能ですし,T-propのねじ込みで1.5cm程度は高さの変更が可能ですので自由度が増します。

ただこの時はタイミングが悪くT-Propが欠品していました。ですので以下の印象はS10-1820です。

とりあえず今回はブロックで93cmほどの高さにして一旦モニターをおいて音を聴いてみました。さすがに重たいものの上,ということで仮設のスタンドよりはどっしりした音になるするのですが,やや低域が団子になる印象です。Stageをその上に載せて再度モニターを仮置きです。

もやついていた低域は綺麗になくなり解像度が向上します。奥行き感も非常に見えやすくなりました。

難航するかと思っていた設置はStageのおかげでSp本体のEQのをいじることなく場所を決めて完了です。

いろいろrefarenceを視聴させてもらったのですが,情報量が多く,快適なモニター環境でした。

2013/1/4追記

さてさて,年末ギリギリにT-Propが到着,早速ソフトスパイクをT-Propに変更です。幸いにしてかS10-1820とS10-1820Tの試聴もできるという贅沢なタイミングです。

まず現状のポジションをマーキングして一旦スピーカーを撤去です。Left側をT-Propに変更です。

ザックリと手でT-Propをねじ込み,マーキングにしたがって設置して水準器でレベルを見ていきます。

水平がとれたところでスピーカーを設置しなおしPro Toolsでモノラルソースを流しPANを振ります。

(...マジか。)予想を上回る解像度です。思わず笑いそうになりました。

ソフトスパイクの状態でもかなり良い状態だったのですが,それを上回る良い音です。いや,良い音と言うより音源に入っていた情報が正確に,あるべき姿として出てきたというと言いすぎでしょうか。すぐにR側のT-Propを追加し調整しました。眼前に広がる美しいステレオイメージ,まさしく「STAGE(舞台)」です。

以前も書いたかと思いますが,聞き慣れたCDにこれほどの情報量が入っていたと思うとCDというメディアもまだまだ捨てたもんじゃないなと思います。

これらを上回る情報量を持つDSD,SACDなども聴いてみたくなりますね。

毎回KRYNAの製品を試すと驚くことばかりですが,今回改めてみっちりSTAGEを試してもはや,脱帽としか言いようがありません。

スピーカーを買い換えをご検討中のかた,今一度Stageを試してみてください。

2020/4/18追記

やっとStage IIを試すことができました。その時の様子はKRYNA Stage IIのレビューを御覧ください!!

Afterwords

単なる「スタンド」の域を超えた「Stage」,是非体験してみてください。

そう遠くない将来AnnexのC/Rに導入出来れば、と思っています。→ 導入しました。タイミングが合えば試聴可能です!!

一部ですが形状の特殊なスピーカーにDALI EPICON2専用 Stage,B&W 805D専用 StageDYNAUDIO Confidence C1II専用 StageTANNOY Autograph mini専用 Stageがリリースされています。

またSround用のキットも存在します。

更に,ミッドフィールドやラージ用にサイズのカスタマイズも受け付けてくれます(納期は約2ヶ月ほど)。

KRYNA,Stage 画像

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Product Review