GOURD
GCP-603

Product Overview of GCP-603

いつもの白い箱に入っています。簡単に挨拶を済ませ場所をスタジオに移動し，GCP-600の後継機種なのか?という質問をぶつけてみると電材が異なるので後継機種とは言えない，という回答を頂きました。シリーズは600シリーズになるとのことです。

GOURDのwebsiteには「PCUHDの音の明るさとOFCの安定感をいかした設計」とあります。実物を見せていただくとパッと見はGCP-600です。ジャケットの色が若干違う程度でしょうか。

GCP-600,900と比較してみることにしました。

目立つ違いはこの辺りでしょうか。

OFCはOxygen Free Copperの略ですが，PCUHDとはPure Copper Ultra High Drawabilityの略とのことです(GOURD Labより)。

Sound Impression of GCP-603

さて，では早速音に行きましょう。

ここでもGCP-600,900比較してみます。

まずはベースアンプから。

GCP-600,900の音のキャラクターは各Reviewをご覧頂くとしてGCP-603の傾向ですが中域に張りが出るように感じられます。

GOURDの電源ケーブルはGCP-600,900,GP5052と試してきましたが全体的な傾向として上品なしなやかさとワイドレンジ感というのが共通しているように感じていました。

GCP-603はその傾向/予想を少し裏切る傾向にあるケーブルの印象です。

次にギター・アンプです。スタジオに常設のMarshallです。

おそらくこの辺りの周波数を持つ楽器に使用するのが正解なのでしょう。ギターの音が綺麗にまとまり，粒が揃って出てきます。録音スタジオで録音した聴きやすい音，というのでしょうか。非常に好印象です。

Clean，Overdriveともに試してみましたが現段階での評価はGCP-603のほうが好印象です。誤解を招く表現かもしれませんがMarshallの音がBlackstarのようになった，というと違いが判る方もいるかもしれません。

Cleanはその目的によってはGCP-600,900のほうが良い場合も有ると思いますが歪ませた時にはGCP-603のほうが「取り敢えずで作っても良い音がする」というんでしょうか。気持よく演奏できる印象です。

GOURDの電源ケーブルの新境地を見た気がします。

後日，たまたま弦を買いに来ていたGuitaristのお客さん(そうですね「nrくん」としておきましょう)に「いい電源ケーブル出たんだよー。試す時間有る?」と尋ねると「あります!ぜひ!」と。

早速スタジオに移動しセッティングです。この時はJCM800でした。

まず通常の電源ケーブルを試し，「うん，まぁ...こんなかんじですよね」と。「じゃぁ...」とGCP-603に入れ替えます。

ちょっと弾いてnrくん「おっ!!」と思わず声が出たようです。歪ませたり，クリーンを弾いたりを色々試していましたが彼の感想は「音のスピードがとても早く，レスポンスがとても良い。整った音になって出てくるのでリハスタでの練習もやリ易いだろうなぁ」というものでした。

その後しばらく雑談をしていたのですが，エフェクター1つ買うと思えば電源ケーブルという選択肢は非常にありだと思う，という建設的な意見を頂きました(そういえば昔コンプを買いに来ていたお客さんと話して結局電源ケーブルを買っていただいたことがあります)。

エフェクターと違って演奏中に切り替える，ということができませんから全く同列で語るのはナンセンスですが，ベーシックなキャラの決定ということと，機材本来の性能を引き出してくれるという観点からも非常におすすめできるアイテムです。

Afterwords

Flatという観点にたつとGCP-600や900もっと言うとGP5052の方に軍配があがるかもしれませんが録音の現場やLiveでは情報量が多すぎる場合があります。まだ録音は良いのですが，Liveで特定の楽器がフルレンジで飛び出してくると他の楽器をマスキングしかねません。

GCP-603は中域にエネルギーを持つ楽器の音をうまくまとめてくれる印象があります。

近々つくば店に新品が入荷しますので気になる人はぜひいらしてください。お借りしているケーブルもしばらく使い込んでエージングしていこうと考えています。

録音でアナログアウトボードにも試してみますのでまた加筆します。