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CAD
E-100 (modified)

今回のレビューはマイクに焦点を置いてみましょう。機材はCAD e100です。現在e100 mk 2が発売されていますが、Annex Recにあるのはmk Iの方です。
このマイクは昔、音を聞いてすぐ購入を決めた僕の一番好きなマイクです。大手のスタジオならばU87とか、いわゆる「定番機」をそろえておかなければならないのでしょうが、当店では特にそんなこともありません。
とはいってもU81Aiはありますけど。

Product overview

さて、外見はちょっとレトロな感じもしなくはないゴールドトップのマイクです。
最大音圧は140dB以上です。スイッチがついていて、ON/OFF,PAD,HPFです。このON/OFFですが、なぜついているかといいますと、内部に充電式の9Vバッテリーを搭載しています。コンデンサーマイクなので+48V電源で作動しますが、大音量収録時などマイク本体のプリアンプがプルパワーを出さないといけないときにこの9Vも使用されるそうです。
実際コンデンサーマイクなのに(?)Kickの収録に使用も出来ます。ホールから中に入れて使用することが多かったり、KcikにAKG D112と併用することもしばしばです。
オーケストラの録音からボーカルまで幅広く使用できるマイクです。

Sound Impression

音質傾向はきらびやかで非常にヌケがよい感じです。以前NEUMANN U87Aiでボーカルを録音していた時にボーカリストと
「なんかちょっと違うね。」
という話になり、E-100を試したらすんなりOKになったということがあります。EQの効きも良くReverbのなじみもよいとてもよいマイクだと思います。

ただS/Nがめちゃくちゃよいというわけではない(S/N Ratio: 75 dB)ので弱音楽器にはちょっと厳しいときがあるかもしれません。(AKG C414:88dB,Neumann U87Ai:80dB)以前タンゴの録音ではPfとCbに使用しました。HAの特性もあるのだと思いますが、ナチュラルでコシのある音を拾ってくれました。アシスタントエンジニアがしきりに「Pfが良い!」といっていました。
音源との距離感などもきちんと表現できるとてもよいマイクだと思います。

Afterwords

シビアなマイクだけにマイキングが非常に重要ですが、はまれば、他では替えがたい素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます。
CADには今後もこのようなすばらしいマイクを開発し続けて欲しいものです。
CAD,E-100 (modified)

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checker:Takumi Otani

Product Review