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Allen&Heath
ZED-10FX

Allen&Heath ZEDシリーズに新たなLine upが加わりました。シリーズ最小のZED-10とZED-10FXです。今までのZEDシリーズはどちらかというと「Mixerにインターフェイス機能をつけました」という印象があったのですが、今回のZED-10/FXに関しては違います。「録音が前提の機能にチャンネルストリップを加えてみました」という感じの製品です。早速見ていくことにしましょう。

Product Overview of ZED-10FX

ZED-10チャンネルストリップ

今回初発売前にKORGのK本さんからデモ機をお借りすることができました(ありがとうございます!!)。ずしりと重たいボディ。他のメーカーの同規模のミキサーと比べても少し重た目です。サイズ的にはA4サイズより一回り大きいくらいです。

売価を聞いて結構びっくりしました。ノブなどもしっかりと筐体に固定されており(Allen&Heath社のミキサーは伝統的にそうなのですが)、使用に際しての安心感、信頼感があります。
さてお約束スペックです。

あたりでしょうか。

USBは1.1で16bitまでをサポート、サンプリングレートは32, 44.1, or 48kHzです。96kHz/24bitまで行かないのがチョット残念ですね。

Channel Strip

ZED-10チャンネルストリップ

chennel構成は4モノラル+2ステレオです。モノラルインプットにはXLR+1/4"が用意されています。入力周りは非常に気が効いています。写真を見ていただけるとわかるのですが、ch1-2はMic/Lineなのですがch3-4はMicとClass AディスクリートFETのHi-Z inになっています2個あるのが良いですね。HAはZEDシリーズのDuoPreではなくMixWizardシリーズを改良したものが搭載されています。モノラル入力部にはAllen&HeathのHAとMid Sweep3バンドEQ(LF=80Hz, MF=120Hz-4kHz, HF=12kHz)が搭載されています。簡単な音処理がここでできてしまいますのであとでPlug-inを使用しなくてもよくなることが増えるかもしれません。CPUに優しいですね。
さらにその手前にはFX send(Post LEVEL),AUX send(Pre LEVEL)も用意されています。Levelノブの手前には"Record"というボタンが有ります。これが押されたchの信号がRecord BUSに送られUSB経由でPCに送られます。押していない状態では信号はMIXバスに送られます。

Mastre Section

ZED-10マスターセクション

USBからのプレイバック信号は"PLAYBACK" BUSに送られてきます。マスターセクションのPLAYBACKノブを上げることにより、録音時のオケのバランスと演奏の音のバランスを替えることが可能です。
ZED-10 PLAYBACKバス このPlayback BUSは1/4"を差し込むことでCDやiPodなどの外部の入力に対応します。大型コンソールのマスターセクションのLine In, Montor inに相当します。またUSBからのPlayback信号はST in2にも入りますので簡単にEQを書けることも可能です。またAUXにも簡単に送ることが可能ですので、モニターのためにチャンネルを一つ潰す、と言う事は特にありません。
RCA端子でMonitor Outも用意されています。スイッチでソースの切り替えが可能です(RECORD bus/AUX bus/PLAYBACK bus)。自宅録音という観点にたった場合、このマスターセクションは非常によくできていると思います(初心者の方にはチョット煩雑かもしれません)。

MAIN LR出力にはインサート端子も搭載されており、アナログとデジタルの共存が実現されています。
「インターフェイスの機能としては多すぎる」、という声も聞こえてきそうですが、僕はそうは思いません。必要なければ使わなければ良いだけの話ですから。
弊社Annex RecordingにはDM2000というDigital Rec Consoleが有ります。パッチングなども様々できますが、すべての機能を100%使っているかと言われると甚だ疑問です。一番使うのはCommunication機能だったりします。
やりたい事がある時にすぐ対応出来るflexiblityが魅力です。

Rear Pannel

ZED-10 PLAYBACKバス

背面はシンプルでIECソケットとスイッチのみ、と思いきやなにやら直径数ミリの穴が有ります。よく見てみると入力レベルの切り替えスイッチです。Hi-Zに接続された楽器のGainを+26dB(!)するスイッチです。フルゲインにしても足りない、という事を想定しているのかもしれません。まぁPADの逆の発想ですね。あとこのスイッチを押すとハーモニックが加わり真空管アンプ回路のような音になるとのこと。
マスターアウトを-30dBuにするスイッチも有ります。DAWの内部のレベルを考えてのことかもしれません。+4dBu=-16dBfsが多いですからMain out XLRの先につながれた機材に悪影響がでないようになっているのでしょう。Masterのノブは+10dBまでブースト可能ですのでマスターをフルにした状態で、このボタンを押せばXLRから出力される信号は都合-20dBfs=0dBuほどでしょうか。なかなか気の利いたスイッチのような気がします。

Sound Impression of ZED-10FX

さて、音質比較、と参りましょう。「ミキサーとして」の音質は折り紙付きですから、「インターフェイスとして」の音質を見ていくことにしましょう。AD/DA部なども関わってきます。

ギターをダイレクトに入力して比べてみました。比較対象のインターフェイスに比べて音が太めです。ベースもやはりその音質傾向です。ADなのかDAなのかHAなのかチョット判断がつかなかったのでVSTiを起動し、音を聞いてみた感じ、おそらくHAの影響が一番大きそうです。
ADは意外と素直なのかな、という感じです。

ミキサーはやはりHAの性能が大きいように感じています。Annex Recで録音していてもそう感じますし、PA/SRの現場でもそう感じます。どのメーカーの音が良いとかではなく(好みが入りますから)HAの質が高いとmix時にFaderを上げた時の感覚がイメージ通りという感じです。MixでFaderを上げてもいまいち音が前に出てこない、という印象は有りませんか?
もちろんHAの質だけでなく、大元の音作りの問題や、ADコンバーターの問題をあると思います。大元の音作りは頑張ればなんとかなるとしてもHAやADを交換するのはお金もかかりますから大変です。結局プラグインなどで何とかすることになるのかもしれません。

チョット話がそれましたが、よいEQや良いComp、プラグインにお金をかけるのであれば良質なHAをまず使うべきだと思います。アナログ部をしっかり指せた方がトータルの質は向上するでしょう。

さらっと使いこなしているように書きましたが、実は上記も含めてブロックダイアグラムを見ながらチェックしていきました。SSLのコンソールのB/D程厄介ではないですが(てか、あれ、やばいですよね。普通に1周しますもんね)なかなかどうして、ジャンプしているところを追いかけるのが手間取りました。

Afterwords

総合的な印象としてはアナログをいろいろ使いたいけどレコーダーはDAWという人、それも初心者というよりは中級者にお薦めできる製品です。

特にマスターセクションは非常によく出来ています。このマスターセクションが上位機種にも搭載されれば良いのにと思います。このマスタセクションと同社ZED-R16に搭載されているMIDIトランスポートを組み合わせた8-16入力位のミキサー/インターフェイスとか結構需要あるんじゃないでしょうか。

2in/outのインターフェイスと4-8chくらいのミキサーを組み合わせて使用していらっしゃる方などにベストソリューションなミキサー/インターフェイスではないかと思います。

20100818追記:
ZED-10シリーズドライバーです。日本語版は用意されていないのでASIO4ALL 2.10 - Englishをご利用いただくのが良いと思います(弊社店頭デモ機は正常に動いていますが、弊社はこのドライバーのインストールに関して発生するいかなる問題に関しても責任は負いかねます)。

Allen-and-Heath,ZED-10FX 画像

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