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AVALON DESIGN
M2 mkII (modified)

今回もMusic Plant Annex RecordingのHAについてです。今回はAvalon Design M2 mk IIです。
このHAは僕のもっとも好きなHAのひとつです。
完全業務機という部分があるので、「ああ、あれね」という方はエンジニアさんに限られるでしょう。

Avalon DesignはアメリカにあるアウトボードメーカーでBassistにはU5のメーカーとして有名かもしれませんね。
このMシリーズは現在M5まで改良されており、今回のM2 mk IIは当たり前ですが、M2の改良機です(記憶が怪しいのですが、M1,M2,M2 mkII, M4, M44, M5と言う順に進化してきていたと思います)。

Product Overview of M2 mkII

さて本体を見ていきましょう。
Avalon Designの全機種に共通の、分厚い、高級感漂うアルミのフロントパネルにコントロールが並びます。
写真からもわかっていただけるかと思いますが、
Gain(4dB step)とTrim(±2dB)、あとはPhase,PAD,+48Vのボタンしかありません。
潔いですね。
個人的にはHAの基本機能は GAIN,PAD,+48V,Phaseだと思っているのでこれで充分かなという部分は大いにあります。

生産完了モデルですが、流通当時は90万以上の値段だったそうです。電源ユニットB2Tが必要ですが、その分ノイズ対策もバッチリです。

Sound Impression of M2 mkII

さて、一番重要な音に関してですが、スッキリ、ヌケのよい音です。コレもAvalon Design共通の性質ですね。

いや、VT-737spと比べるともっと透明感があります。しかもやわな透明感ではありません。強力な透明感です。
スッキリしているというと、「Low-endが無いのか?」と思われるかもしれませんが、そんなことはまったくありません。おそらく初めて聴く人は、その伸びやかなHi-endに耳が行くと思いますが、どの周波数も欠落することなく入っています。
コレは当たり前のようで実はすごいことです。僕はこの機種をアコースティックモノつまり、overheadや、A.Gt,A.Pfに使用しますがクリアな音質で録音できます。
以前某メーカーのHAと比較したのですが、圧勝でした。
マイキングの荒や楽器のコンディションなども見抜けてしまうんじゃないかと思います。

一度specを調べたことがあるのですが、周波数レンジはDC-1MHzをまで伸びています。Headroomは31.5dBu(!!!),残留ノイズは120dBm以下!!
specだけで音は語れませんが、凄そうなのは分かっていただけると思います。

ジャンルにもよりますが、KickとOverheadだけで充分じゃないかというほどの定位のよさ、広がりがあります。センターも抜けることなく,いわゆる楽器の配置が見えるHAです。

オーケストラの収録にも使用したことがありますが、このときもすごかったですね。
いわゆる3点釣りのマイクで、広いステージでした。
わずかに50cmはなれた演奏者の音が、15m離れて収録したのにきちんと別れて聞こえます。C/Rでちゃんとオーケストラの配置が再現されていました。もちろんコントロールルームで聞いていたので、外部の音はだいぶシャットアウトされていますし、視覚効果も及びません。あれはビックリしましたね。
先日の録音ではPfにも使用したのですが、最高です!!
おそるべき解像度と周波数レンジを誇るHAです。

Afterwords

録音時には必ず使用するといっても過言ではない僕の重要な相棒です。貸出などには対応しておりませんが、出張録音は承りますのでお気軽にお問合せください。

AVALON DESIGN,M2 mkII 画像

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checker:Takumi Otani

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