ADAM
S3X-V

スタジオに不可欠な機材である「モニタースピーカー」。スモールからラージまで製造している代表的なブランドとしてはGENELEC,musikelectronic geithainそしてADAMでしょうか。

スタジオの顔として重要な部分ですね。一時期はコンソールもスタジオの顔としての役割をになっていたきもしますがDAWの出現によりコンソールレスでもスタジオとして機能するのでだんだん

スタジオ=Booth + Console + Recorder + Console + etc.

と言う構図でRecorder + ConsoleをDAWに置き換えても成立するようになっています。もちろんConsoleがあるとその作業性はぜんぜん違うのですが、価格とスペースの観点でしょうか。

さてちょっと話がそれましたが、「音」が空気振動である以上どうしてもスピーカーというものはなくならないのでしょう。少なくとも大脳に直接信号が伝送できるようになるまでは。

今度もしばらくはモニターはスタジオの顔として、「顔」が言い過ぎであれば「個性」として、活躍してくれるでしょう。

さて、そんなモニタースピーカですが、今回、前述のADAMのミッドフィールドスピーカー S3X-V,S4X-Vを試聴する機会を得たのでその時の様子を交えつつレポートしていきます。

所謂「一般家屋の一部屋をMixingに使用」しているお客さんの自宅のNS-1000Mをドライブしているアンプが故障したとのことで、現在ニアフィールドで使用しているADAMのミッドフィールドはどうだろうか?と言う事でご相談いただきました。

ちなみにYAMAHA NS-1000Mのスペックです。
方式
3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット
低域用:30cmコーン型(JA-3058A)
中域用:8.8cmドーム型(JA-0801)
高域用:3.0cmドーム型(JA-0513)
再生周波数帯域
40Hz~20kHz
クロスオーバー周波数
500Hz、6kHz、12dB/oct
最低共振周波数
40Hz
インピーダンス
出力音圧レベル
90dB/W/m
定格入力(JIS連続)
50W
最大許容入力
100W
レベルコントローラー
中・高音、連続可変型
外形寸法
幅375×高さ675×奥行326mm
重量
31kg

多くの放送局などに導入された実力を持つスピーカーでオーディオファンの方々にも愛用者がいらっしゃるようです。NSシリーズは我々にはNS-10M STUIDOが一番有名ですが、同じメーカーがしっかり作っているのですから性能は相当のモノでしょう。

Product Overview of S3X-V

S1Xのレビューにも記載しましたが、SXシリーズは、Volのトリムが-20dBまでしかありません。「音量結構出ますけど大丈夫ですか」と確認したことは言うまでもありません。

ご自宅では夜間を除いてそこそこの音量を出せるとのことですのです。

さてS3X-Vのスペックです。

ウーファー
1
口径:228mm (9 inches)
ボイスコイル直径:50mm (2 inches)
素材:ヘキサコーン™
コーンミッドレンジ
1
口径:116mm (4.5 inches)
ボイスコイル直径:25mm (1 inch)
素材:ヘキサコーン™
X-ARTツイーター
1
振動板面積:24.2cm² (3.5 inch²)
圧縮伸長比:4:1
振動板重量:0.17g
内蔵アンプ
3
ウーファー:250W/350W peak
ミッドレンジ:250W/350W peak
ツイーター:50W/100W peak
コントロールパネル
入力感度調整幅:-20bis +8dB (4dB step)
入力感度微調整幅:-1.5bis +2dB (0.5dB step)
EQ 80Hz:-0bis +6dB (1dB step)
ルームEQ < 160Hz:±4dB (1dB step)
ルームEQ > 6kHz:±4dB (1dB step)
ツイーターレベル調整幅:±2dB (0.5dB step)
一般的データ
周波数特性(±3dB):32Hz ~ 50kHz
THD > 80Hz:≦0.6%
短時間サイン波音響出力(1m/100Hz ~ 3kHz):≧114dB
最大ミュージック出力:≧124dB
クロスオーバー周波数:350Hz / 2,800Hz
アナログ入力:balanced XLR
デジタル入力(オプション):AES/EBU (XLR) + SPIDF (cinch)
入力インピーダンス:10kΩ
重量:15.4kg
キャビネットの防磁仕様:オプション
寸法:485mmH x281mmW x295mmD

まずまずのサイズといって良いと思います。出力も充分ではないでしょうか。

お客さんがNS-1000Mを使用していた理由のひとつに「密閉型特有のバスレフからの低域に惑わされない」と言う部分があるそうです。
たしかにバスレフからの低域は遅れが生じ位相も乱れています。低域の量感は確認できるのですが「低域が見える」かと言われると疑問を感じます。

さぁ、S3X-Vはではどうでしょう

Sound Impression of S3X-V

さて、試聴です。システムは

ネットワークプレイヤー → Mackie 802-VLZ3(モニターコントローラー) → ADAM S3X-V

という感じです。

次第に音量を上げていくと、あれ、と言う辺りでクリップします。もう少し出て欲しいかなぁと言う印象です。少し押さえ気味でチェックです。

いまいちS1Xの時に体感した感動がありません。Mackie 802-VLZ3を外してみました。

正解です。だいぶよくなりました。ミキサーの回路の癖をきちんと表現できていたということになるのでしょうか、非常にシビアなモニターですね。

当たり前ですが、中域,高域はまさにADAMのそれで、きれいな奥行き感を表現してくれます。コンプにあたった瞬間までわかる感じです。相変わらずエンジニア泣かせなモニターです。

前述のとおり、低域が大きなポイントの一つですので低域の効いたソースで確認をしていました。部屋が揺れるほどの物騒な低域が入っていますが、やはりバスレフポートからの音が大きいです。

もちろん12インチと9インチの差は大きいですからADAMよりYAMAHAが優秀だとはならないのですが、サイズ的にもスペック的にも「もうちょっと低域出てくれてもいいかなぁ」という印象もあります。

認識としてはS3X-Vは「ミッドフィールド」というより、「大きなニアフィールド」と言う方がいいのかもしれません。もちろん鳴らす環境や音量、そしてルームアコースティックにも大きく影響されると思いますし。またこのサイズですとコンソールトップに置く、というのは正直きついと思います。そう考えるとS3X-Hの方がニアフィールド的な設置が楽なのかもしれません。

Afterwords

S1Xと同じく低域の確認の方法が他にあるのであれば、良い選択肢の一つと言えるでしょう。

SXシリーズは非常にシビアなモニターですのでチューニングも大変かもしれませんが、楽しい作業かもしれません。

ADAM,S3X-V 画像

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