Avedis Audio Electronics   E27

「E27はハイクオリティーなモジュールタイプのパラメトリックEQで、音の良さ、あらゆる音楽に対応できる柔軟性、簡単な操作、シンプルであることを開発のコンセプトとし、サウンド・キャラクターの決定には名機と呼ばれるヴィンテージ・アナログ機材からインスピレーションを得ています。

回路を構成するパーツの選別には音の良さを最優先にして、スイッチ、コンデンサー、トランスなど高品位な製品を採用しており、現在のレコーディング・スタジオには、数十年前のヴィンテージから最新のデジタル・テクノロジーを駆使したものまで様々な機器が混在していますが、E27はそれら多くの機材との接続を可能にするためバランス/アンバランス入力や高/低インピーダンス信号の入力など様々なインターフェースを考慮して設計されています。

EQの各バンドは外側に9つの周波数を選択可能な金メッキ接点のロータリースイッチと、内側には最大16dBのブースト/カットができるレベルノブを配置し、レベルノブはサウンドコントロールに最適なカーブを持つオーディオクラスのボリュームを使っています。またバンド幅はブースト量によって変化する設計です。最高域は28kHzまで対応可能ですが、例えばピーキング・フィルターの中心周波数が2.8kHzでもバンド幅(Q)があるため20kHz以下の周波数にも影響を与える。実際6dBほどブーストすると楽器のリアリティが増し、サウンドに命が吹き込まれる感じになります。

E27はその柔軟なインターフェースを使ってインピーダンス変換やアンバランス→バランス変換のコンバーターとしても機能し、例えば CD/MDプレーヤーを600Ωの機材に入力する場合はインピーダンスのマッチングが取れないため音痩せしたサウンドになり出力レベルは下がってしまいます。
またパッシブ・アッテネーターのようにホットとコールドでインピーダンスが異なるバランス回路でも同様な結果となりますが、いずれの場合もE27を接続する2つの機材間に接続すれば問題は直ぐに解決する。E27の入力と出力インピーダンスはそれぞれ13kΩと45Ω以下で、これは入力段と出力段にそれぞれ用意されたJensen製の特注トランスと、私がAPI2520OPアンプの互換用に開発した1122OPアンプの働きによるものです。
トランスはオーディオ信号には非常に優れたなパーツだが高性能のトランスは値段が高く、重く、スペースを取り、回路に応じた特注品が必要など欠点が多いため最近ではトランスレスの製品が多くなっていますが、これはコストを下げるためであり、良いサウンドを得るためではありません。高品位のトランスは良いサウンドを生み出す最も重要なパーツのひとつであり、今後もハイエンド機材には欠かせないパーツであることは間違いないのです。」(アヴェディス氏のコメント)