Dizengoff Audio D4

1960年代よりエンジニアに愛され続ける希少価値の高い英国製コンソールを再現するモノラル・チューブ・プリアンプです。初期型のコンソールにインサートされていたSiemens製V72Sアンプカードの代替としてREDD(Recording Engineering Development Department)が設計に携わった回路をモデリングしています。オリジナルの回路には+36dB/+40dB/+46dBの3段階のゲインセッティングと、そこから細かくゲインを微調整する’Fine Trimノブ’　が搭載されていました。D4ではTrimノブによる±2~4dBのファインチューニングをそのままに、現代的な用途に考慮してゲイン調整幅を12ステップ/+20dB~60dBに広げています。

D4は、1964年~68年にかけて収録されたThe BeatlesやPink Floyd、The Zombiesのアルバムに代表される広大かつオープンなサウンドを特徴としています。EF86五極管が生み出す華やかな色付けに加え、繊細な表現力をも併せ持ちます。コンソールのチャンネルを直列に繋いで作り出したJohn Lennonの"Revolution"に聞くことができるオーバードライブが、その象徴的なサウンドです。

D4に搭載するカスタム・ワウンド・トランスフォーマーの生産は、米国シカゴで行っています。現代的な素材を採用しつつ、オリジナル回路で用いられていたトランスフォーマーのスタイルを踏襲しています。インプット・トランスには高純度のニッケル(80%ニッケル)を、アウトプット・トランスには低純度のニッケル(50%ニッケル)を用いて高い忠実性を追求しました。

内部電源には日本製のRコア電源トランスを採用し、EIコアトランスに比べ極めて高効率かつローノイズの特性が得られやすく、D4のパフォーマンスの向上に深く寄与しています