JUN TONE PICKUPS ST Early '60s Middle White

ST Early ‘60s は1960年～1964年頃のSTピックアップを再現したモデルです。Juntone Pickupsでは、これまでに多くのヴィンテージ・ピックアップの断線修理を行なっており、オリジナルのコイルをゆっくりと慎重に解いて断線箇所を特定する事、そのオリジナル・コイルを使って復旧させる事に注力してきました。
コイルを巻き付けるパターン、合計の巻き数、ラッカーやビーズ・ワックスはコイルのどこまで染み込んでいるのか、ワイヤーがボビンを往復する巻き数、レイヤー毎のばらつきなど、当時の製作環境をイメージして読み解く事で、あらゆるデータを蓄積してきたのです。
A5のポールピース・マグネットは既に流通しているものではなく、ヴィンテージのサイズとほぼ同じ直径で特注しました。当時のピックアップはワイヤーの巻き数に個体差が見受けられますが、これまで修理してきたヴィンテージ・ピックアップの中で「最も巻き数の多かった61年製の個体」をブリッジ・ピックアップに採用しています。
ミドルとネックはJuntone Pickups が所有している「62年製ブラックボビンのスペック」を設定しています。現代のヴィンテージ系ピッ
クアップの再現に多くみられる「スキャッター・ワウンド」はあえて採用しておらず、ハンドガイドで丁寧に、そして均等に量産していく当時の製法を踏襲しました。それは人の手で量産していた時代の「熟練の職人技」の再現でもあります。
ポッティングにはカーボン・パウダーを練り込み、わずかに導電性を持たせたものを使用しており、サウンド・外観ともにオリジナルのブラック・ボビン・ピックアップに近づけました。Juntone Pickups が考察する、「1960年代にあった新品のピックアップの状態」がこの ST Early ‘60s なのです。