Thumbs.db V-synth_GT.html V.rtf aps.jpg centersec.jpg display.jpg editsec.jpg index.shtml performancesec.jpg reportstyle.css v-synthGT_H.jpg v-synthGT_L.jpg v-synth_H.jpg v-synth_L.jpg 行ってきました!! Roland V-Synth GT マスター研修会!!

Roland V-Synth GT Master Seminar

まえがき
-Needless Preamble-

行ってきました!!販売店向けのセミナー Roland V-Synth GTマスター研修会!!
会場はTx秋葉原駅から徒歩15分くらいの所にあるRolandのスタジオです。
電車の都合でちょっと早めに着いてしまい、会場に入ると、ラッキーな事にとても良い席を取る事ができました。スクリーンの目の前、V-Synth GTが1人で触り放題というベストな場所です。
開始までしばらく時間があったのでHeadphoneをつけて音を聞く事しばし、
新製品発表会の時には未完成だった部分(ソフトのバグ)も無くなり(当たり前ですよね)モンスターシンセを堪能出来た貴重な時間でした。

そうこうしているうちに、セミナーが始まりましたが、今回のセミナーは大きく分けて2部構成になっていました。
前半はV-Synth GTの位置づけやRolandにおけるシンセの歴史など。
後半はV-Synth GTを実際に操作しながら、新機能、セールスポイント等をデモンストレーションという形です。

前半
-Ideal Part-

本来なら書かなくても良い部分なのかもしれませんが、折角なのと、「興味深い」、と感じてくれる人がいる事を祈りつつ...。

V-Synth GTに興味がある方というのは、おそらくそれなりにシンセに詳しく、楽器経験がある方だと思います。
製品の性質上、「シンセかって○×△のコピーやりたいんです!!」というシンセ初心者にお勧め出来る製品ではないのかな、と感じます("Dream Theater"や"Pocupine Tree"のコピーならむしろオススメです)。
現在「シンセ」というと主に「キーボード」を指す事が多いですが、本来「キーボード(Keyborad)」というのは鍵盤楽器の総称で、アコースティックピアノや、ハープシコードも含まれる物です。
一方「シンセ」「シンセサイザー(Synthesizer)」というのは本来「合成装置」という意味(名付け親は確か故Robert Moog博士)で別に鍵盤楽器でも何でもありませんでした。
いってしまえば音源モジュールみたいな感じだったのです。コレにインターフェイスとして、「鍵盤」をつけたというのが現在の様な「シンセ」=「キーボード」という図式が出来上がってしまった一つの原因でしょう。
確かにスイッチとしての鍵盤を取り付けるのが一番楽だったに違いありません。
さて、その「シンセ」ですが、テクノロジーの進化によりどんどん機能を増していきます。
「シンセ」=「キーボード」という図式を作り出した、2つ目の原因となるのが「Sampling」と呼ばれるテクノロジーです。
このテクノロジーのおかげで
「どこにも無い音を作り出す為の合成装置」
だった「シンセ」が
「他の楽器の手軽な代用品」
という扱いを受け始める事になります。
この「サンプリング」のおかげで自宅にいながら手軽にピアノからストリングス、ブラス、ドラムの音を楽しめる様になったのです。
サンプリングが現在の音楽に及ぼした影響は計り知れませんし、僕もとてもお世話になりました。
その一方で、やはり、ノブやスライダーを動かして音を自在に作っていく「合成装置」としてのシンセには魅力を感じます。
現在、国内のシンセメーカーのラインナップには大きく3つの柱がある様に感じています。

初心者向けのエントリーシンセ
機能的な部分に制限はあるものの判りやすく、直感的な操作が可能なモデルです。
ワークステーション
シンセ+サンプラー+シーケンサーを一体にし、シームレスな操作が可能、膨大な音色を持ち、曲作り等にもってこいのモデルです。
ほんとの意味での「Synthesizer」
音を作る、という原点に立ち返るとともに、現在のテクノロジーを駆使したモデルです。

V-Synthシリーズは前述の最後のグループに入る製品です。Rolandの製品の流れでみると、JD-800,JP-8080の、"Synthesizer"としての血統を伝承する製品です。

機能紹介
- Scond Half-

さて、いよいよ本文ですね。
何から行きましょうか。
新製品発表会の時もそうでしたが、機能が多すぎると結構大変です。覚える方も、書く方も(作る方はもっと大変だったでしょう)。
特徴ですが、

では詳細をみてみましょう。
残念なのがこの場で音をお聞かせできない事です。想像力を膨らませて、実際は店頭でお試し下さい。

Dual Core

前述の通り、端的に言うとV-synth2台分です。倍になったのは

という、シンセとしての心臓部がDualです。コレにより、V-Synthでは
1Patch(V-Synthシリーズにおける音の最大単位)=1Tone(V-Synthシリーズにおける音の最小単位)
だったのが
V-Synth GTでは
1Patch=2Tone
("Upper tone"と"Lower tone")になっています("Patch","Tone"の考え方は従来のRolandのシンセと同じです)。
レイヤーさせて図太い音を作るもよし、スプリットで右手と左手のコンビネーションを楽しむもよし。なんていったって1ToneがV-Synth1台分ですからね。「レイヤーしないと音が細くて...」なんて心配は一切無用です。

Panel Layout

コレは写真を見比べていただきながらの方が判りやすいと思います。上が、V-Synth GT,下がV-synthです。クリックで拡大画像が開きます。

V-Synth GT拡大画像V-Synth拡大画像

大きなコンセプトには変わりはなく、さらに使いやすくなっている、というのが僕の印象です。
向かって右側、V-synthの時にはノブとボタンが集中していた"Edit section"ですが、V-Synth GTもそんな感じです。ただノブの数が減り、使用頻度の高い物が優先的に配置されている、と言った感じでしょうか。

Edit section
エディットセクション

もちろんAP synthesisのセクションもあります。
V-Synthの時には3つだった[Structure]も5つに増えています。AP synsthesisの追加と、Vocal Designerの同時使用が可能になったので、追加されたのです。

「いや、いくら使用頻度が高い物に限った、っていっても使う時は使うし....」というEditの時を考えて、"center section"にはディスプレイと連動した8個のノブがあります。

center section
センターセクション

E1からE8と名前(?)のつけられたこの"センターノブ"(便宜上そう呼びます)のおかげでEdit時のみならず、通常演奏時にもEdit sectrionからノブが減った事を感じさせない操作が可能です。
またcenter sectionには、テンキーとジョグダイヤル、カーソル,[DEC/-],[INC/+]が配置されています。久しくシンセには搭載されていなかったテンキーここに復活、といった感じです。音色の決定時等にはやはりあるにこした事はありません。

さて向かって左、こちらは"Performance section"とでも呼ぶべきでしょうか。

Performance section
パフォーマンスセクション

等おなじみの機能が、いっそう使いやすく配置されています。ベンダーの上にはS1,S2というボタンが配置され、コレにも様々な機能をアサインする事が可能です。位置も考えられていて、ベンドを操作しながらでも指が届く様な配置になっています。

TFT color touch Display

ディスプレイ

「えー、色着いただけでしょ?」まあそうなのかもしれませんが、ウケる機能があります。
Screen Saverついています。壁紙も変更可能です。しかも壁紙は自分で追加可能です。カンペ代わりにも使えるのでは??
「それをPhotoshopで加工して仕込むのなら、手書きが楽じゃい!」という声も聞こえてきそうですが、気持ちのゆとりって大事ですからね(苦笑)。
冗談はさておき、好きなアーティストの写真とかを入れておくとテンションあがる事間違いなし、MCの内容のメモとかにも活用出来ますね(結局カンペか..)。

あと、「うーんナイスアイデア」と感心した機能が、「表示内容を切り替えることが出来る」機能です。例えば、音色Editの時と、Live中では求められる画面や表示は異なりますよね。Edit中は様々な情報がわかりやすく得られるべきで、Live中は現在使用中の音色がすぐわかるようになっているべきでしょう。それを簡単に切り替えることが出来るのです。

Articulative Phrase Synthesis

AP Synthesis

V-Synth GTの最大の目玉の一つでしょう。AP Synthesisです。4つのソロ楽器の「動作」をモデリングしています。その4つとは

です。
ノコギリ波を音源として二胡の奏法でソロを弾く、いやーしみじみしそうですね。
それぞれのモードに8個から10個のパラメータがありますのでとても幅のある音/フレーズを作り出す事が可能です。
もちろんこのAP synthesisとEA synthesis,Vocal Desinerの併用が可能ですから音作りは自在といっていいでしょう。
ただ、Upper toneとLower tone同時にAP Synthesisを使う事はできません。
実際のパラメータをちょっと紹介しておきましょう。
名称をあげてもピンとこないのでその機能を紹介します。まずノイズを増加させるパラメータ:Fluteの様なリップリードの楽器は必ずブレスノイズが出ますが、それを増減させます。
Pitch bendを遅らせるパラメータ:ピッチベンドはもはや無くてはならないシンセの機能です。当たり前ですが、操作したまんまリニアに効きます。
コレを遅らせる、いやなまらせるパラメータです。他にもSaxのGrowlを再現する為のパラメータ等是非試していただきたいパラメータ満載です。
画期的なのが上記のパラメータをフルにしたからといってソフトに弾いた時にSaxのGrowlがなるとかそういった事はありません。
それっぽいフレーズをもっとそれっぽく!
あの楽器のニュアンスをこの音色で!!
という時に非常に威力を発揮しそうな「演奏モデリング系シンセシス」といっても良いかもしれません。
個人的には是非上記"Violin","Erhu(二胡)","Saxophone","Flute"に加えて"E.Gt"を開発して欲しいです。
Fingering Noise,Feedbackとかをパラメーターに入れて...Aftertouch,S1,S2でコントロールとかですかね。
まてよ、JD-800にそんなのがあったな(汗)。I-15だったかな?

Vocal Designer

Vocal Designerがシンセ音源との同時使用が可能になりました。
Vocal Designerはいってしまえば、ボコーダーという事になるのでしょうが、従来のボコーダーを遥かに凌駕した新世代の機能になっています。
デモ演奏でAmazing GraceをVocal Designerを使用して演奏してくれたのですが、すんごいですねー。あればっかりはちょっと聴いて貰わないと判らないかもしれません。
シンセ音源部と当時使用が可能になった事により、表現の幅はとても広がります。
EA SyntheisのPADやアルペジエーターを同時に使用する事により今までにないパフォーマンスが可能です。
一人でパッドのバッキングもやりつつ、3声のハモリを入れる事も可能なのです。
マイク入力の部分も非常に考慮され、Neutrik Comboコネクターが採用されています。しかも+48Vファンタム電源供給可能です。コンデンサーマイクもどんと来いといわんばかりの充実ですね。

Sound Impression

ここまで書いておいてなんですが、やはり文章では魅力の半分も伝わらないかもしれません...。やはり楽器ですからね。
V-Synthの音をはじめて聞いたときにその音の太さと、存在感に驚愕しましたが、今回V-Synth GTはそれを超えています。
「シンセは音を作るためのもんだ」
「分厚い存在感ある音はアナログでしょう」

とお考えの皆さん、是非V-Synthシリーズを試してみてください。
きっとご満足いただけます!!

あとがき
-Trivial Afterwords-

余談ですが、今回セミナーが始まる前に真っ先に探した音色があります。
V-Synthでは001に、V-Synth GTでは260に格納されている、あのENIGMAも使用した、ラテン語の[Da 'V' Code]です。
VariPhrase technologyを堪能出来る最も判りやすいプリセットでしょう。
非常に高価な製品ではありますが、おそらく10年後,15年後、雑誌やweb等で「Synthesizerの銘機」というページがあったら MiniMoog,MemoryMoog,Prophet-5,X-pander,JD-800等と並んで取り上げられるシンセに違い無いでしょう。Rolandが作り出した、モンスターシンセ、V-Synth GT
興味がある方いらっしゃいましたら是非声をかけて下さい。
実演デモやりますよ!!

RolandV-Synth GT

Roland V-Synth GT
Product Review