KOJO TECHNOLOGY
Aray6 MKII

電源ケーブルで音が変わる、ということが認知されて久しい気がします。電源ケーブルを交換するのは(機種にもよりますが)簡単ですが、電源そのものを改善するのは意外と厄介です。というのもすべて電線でつながっており程度の差はあれ工場など、大電力を消費する機械が大量に稼動すると電源と言うのは汚染されます。
電源の汚染というとなにやら物騒ですが、理想的な50/60Hz 100VACのサイン波の形状が崩れているものを汚染されたと表現します。詳しくは電源環境の悪化と汚染とはをご覧ください。

Annex RecにもsinanoのGPC-1500を導入してあります。あの製品はどちらかというとアースに起因するノイズを解消します。内部構造は結構シンプルらしいのですが、実際音質は向上しました。

今回取り上げるKOJO TECHNOLOGY Aray6 MKIIは「クリーン電源」と呼ばれていて崩れた波形(=汚染された電源)から正しいサイン波を再生成することができる製品です。

開発元の光城精工さんの方とメイルをやり取りさせていただく機会があったのですが、メイルの署名のキャッチがすばらしい!!

「 世界中の電源をきれいに 」

これを見た僕を含むスタッフは「なんて熱いキャッチだ!」と感嘆の声を上げていました。

Product Overview of Aray6 MKII

さて、スペックが難しいですね(苦笑)。ぱっと見るとただの四角い箱です。背面にHUBBELL 8300Iが取り付けられており、4口(2組)のアウトレットがあります。ちょっと余談ですが、このアウトレットの上下(というかこの場合「左右」)で音が異なります。興味がある人は試してみてください(ある程度優れた再生環境が無いと無理だと思います)。

出力は580VAです。アンプを複数台などをドライブしないのであれば問題ないと思います。出力周波数は60Hz(オプションで変更可能)です。

Sound Impression of Aray6 MKII

さて実際の音を聴いていきましょう。下にもありますがオプションで電圧の変更が可能です。弊社に導入したのは出力電圧103Vにしてもらいました。
SRの現場で発電機で出力電圧を変更することがあるのですが、時間があるときにどの辺が一番音が良いか、ということを試したことがありましてそのときの印象で102V-105Vあたりが良いのではないかというのがありました。もちろんユニバーサルパワーだと間違いなく240Vが良いのですが、そうも行きません。安全面や使い勝手の観点から100Vに近いけれどそれよりもちょっと高い状態というのをKOJO techさんと話してつめていきました。

最初に試したのは

2万円ほどする高級電源ケーブル(以下「比較対照ケーブルA」とします。)(GPC-1500を通過) Vs. 安物の電源ケーブルを使用して壁コンセントからとったAray6 MKII + Aray6 MKIIデフォルトの電源

という対決(?)です。

ちなみに最初にPC-1500から同様に電源を取った時には比較対象ケーブルAが圧勝だった(音に存在感が出て艶が出る感じでしょうか)のですが、Aray6 MKIIを通過させるとだいぶその差が縮まります。ぱっと切り替えてもその差は小さくなり、なんだか高いケーブルを使うのがばかばかしくなります(とはいえ、後でやはりケーブルごとの個性もだいぶわかりやすくなるのですが)。

途中の対決はAray6 MKIIに直接関係しないので割愛しますが、非常にハイレベルな電源ケーブルの対決を展開することができ、通常電源の上で健闘していたケーブルの個性がよりはっきりするとともに、新たな個性や粗を見つけることも可能でした。
これはとてもすごいことだと思います。
毎度のことなのですが、良い電源で音を聞くと「早く試せばよかった...」と思うことがほとんどですね。この白色のカンバス上でいろいろな機材、ケーブルの個性がより見えやすくなり、Rec,Mixもやりやすくなるでしょう。

録音した時の印象ですが、耳が疲れることが減ったように思います。鼓膜も筋肉ですから長時間大音量に暴露されると疲れ、感度が低下します。それを避けるために大音量を出すことはあまりしないのですが、機材の歪(一聴してわかるdistortionではなく),THDが減ったことによるだと思います。

職業柄大きい音は嫌いではないのですが、耳障りな音は大嫌いです。機材の潜在的なTHDを下げ、より音楽的な音にしてくれるこういった機材は、大手スタジオが減少している昨今、是非自宅スタジオに導入していただきたい機材ですね

Afterwords

きめ細かなオプションも用意されており、使用環境に合わせたカスタマイズが可能です。ちなみに弊社に導入したのは

の2点です。

ちなみに、

などが用意されています。

現在弊社のアウトボードはすべてAray6 MKIIを経由して電力が供給されています。

Music Plantつくば店Annex Recordingで試聴可能です。御気軽にお問い合わせください。

クリックで販売ページにジャンプ、別ウィンドウが開きます。

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